宇野昌磨引退 恩師「フィギュアの新たな魅力にとりつかれたのでは」
- スポーツ
- 2024年5月11日
フィギュアスケートの男子シングルで2022、23年世界選手権2連覇を果たした宇野昌磨選手(26)=トヨタ自動車=が現役引退を発表した9日、宇野選手の恩師、山田満知子さん(80)は「技術や得点、順位といったこと以外の新たなフィギュアスケートの魅力にとりつかれたんだと思う」と語った。
山田さんは宇野選手の最初のコーチで幼い頃から宇野選手を見てきた。宇野選手がジュニア時代に練習拠点にしていた名古屋市中区の名古屋スポーツセンター(大須スケート場)で今もコーチとして子どもたちを指導している。
教え子の引退の報を受け、「残念だけどいいんじゃない?」。そして続けて「彼のことだから満足して引退するのでは」と話す。
山田さんは昨年9月、宇野選手が出演した、人気漫画「ONE PIECE(ワンピース)」を題材にしたアイスショーを見た。
アイスショーで滑る宇野選手について、当初は「全く昌磨らしくない」と感じた。スケート競技に貪欲に向き合ってきた自分の知る宇野選手でなかったからだ。だが、高い演技力で主役のルフィになりきり、観客を魅了する姿を目にし「素晴らしい」と感嘆した。その様子を見て、宇野選手が「フィギュアスケートの新たな魅力」を見つけたと感じた。
宇野選手の演技力を絶賛するのは恩師だけではない。大須スケート場で山田さんの指導を受ける三浦琉生さん(12)だ。
三浦さんはワンピースを含め、宇野選手が出演したアイスショーで2度共演。宇野選手の「演技力とスケーティング」に魅力を感じたという。憧れの先輩の引退表明を「すごい選手なのでびっくりした」と驚く一方、「個性あふれるアイスショーがみたい」と、今後の宇野選手に思いをはせた。
一方、宇野選手行きつけの名古屋市東区の焼き肉店「龍音(りおん)」のオーナー、田辺敦洋さん(47)は「あまりにも急でさみしい」と語る。宇野選手は約10年前から家族で通っているといい、店内の壁や椅子には宇野選手の写真とサインが壁や椅子などにいくつも飾られている。
宇野選手が最後に店を訪れたのは半年前。「極ロース」と「ヒレ」などを頼み、普段と変わらない様子だった。田辺さんは「さみしさもあるが、今後も違うステージでがんばってくれると思う。感動をありがとう、と言いたい」と話した。【荒木映美】
毎日新聞より転用
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