伊藤美誠でなく張本美和を選んだ理由は…世界1位に善戦、早田ひなを撃破した「戦いぶり」
- スポーツ
- 2024年2月6日
日本卓球協会は5日、パリ五輪の男女日本代表選手を発表し、女子の団体戦メンバーとして張本美和(木下グループ)を選出し、東京五輪で金銀銅のメダル3個を獲得した伊藤美誠(スターツ)の3大会連続代表入りはならなかった。男子の団体戦メンバーには篠塚大登(愛知工大)が選ばれ、2枠のシングルスは代表選考レースで男女それぞれ上位2人となった女子の早田ひな(日本生命)、平野美宇(木下グループ)、男子の張本智和(智和企画)、戸上隼輔(明大)に決まった。4人は個人戦と団体戦の両方に出場する予定。混合ダブルスは張本智、早田組を代表とした。
平野と張本美は同日都内で記者会見を行い、団体戦メンバーだった東京五輪に続く2大会連続出場となる平野は「ここからが本番。オリンピック本番で金メダルを目指して頑張りたい」と意気込んだ。五輪初出場の張本美は「信じられない気持ちでいっぱい」と笑顔をはじけさせた。
日本は今月16日に韓国・釜山で開幕する世界選手権団体戦で男女がそれぞれ8強入りすれば、パリ五輪の団体戦と個人戦の出場権が正式に確定する。
■監督「総合的に一番ふさわしい」
誰もが驚く急成長を短期間で遂げた15歳の若手か、勝負強さを持つ五輪メダリストか――。国内外の耳目を集めた団体戦のメンバーに選ばれたのは前者だった。
「団体戦でシングルスもダブルスも活躍できる選手。総合的に一番ふさわしいと選出した」。張本美について女子の渡辺武弘監督が挙げたのが、中国のトップ選手らとの戦いぶりだった。
張本美は昨年9月、中国・杭州でのアジア大会女子団体決勝で世界ランキング4位の王曼●(日の下に立)から第1ゲームを奪って先手を取った。12月のWTTファイナルズ(名古屋市)では、同1位の孫穎莎に2―3と善戦。いずれも敗れたものの真っ向から打ち合い、相手に重圧をかけた。堂々としたプレーぶりは、大きな可能性を感じさせた。国内でも昨年11月の代表選考会で早田を破って優勝。長い代表争いを戦い抜く中、明らかな進歩があった。
故障を抱えていた伊藤は過密日程の影響もあり、万全の状態で臨めた試合が少なかった。五輪代表からは漏れたが、「日本の卓球界の宝」(渡辺監督)という声に異論はないだろう。選考レースを終えたすべての選手の健闘をたたえ、選ばれた代表にエールを送りたい。(杉野謙太郎)
読売新聞より転用
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