SUV駐車料金、パリ中心部で2900円に値上げへ 住民投票で賛成
- 国際
- 2024年2月5日
フランスの首都パリで4日、SUV(スポーツ用多目的車)に高額な駐車料金を課すことの是非を問う住民投票があり、賛成が多数を占めた。二酸化炭素の排出量が多いなどとして規制を求める声が強いSUVに高額な駐車料金を課すことで、市内を走るSUVを減らすことをめざしている。投票結果に法的拘束力はないが、パリ市は結果を受け、制度の実施に向けた手続きに入る。ただ、投票率は6%を下回り、反対派からはイダルゴ市長への批判も出ている。
投票に先立って、パリ市は市の居住者向け駐車許可証の所有者以外のSUVの駐車料金を3倍にする計画を発表した。重量が1・6トンを超えるガソリン車とディーゼル車、ハイブリッド車に加えて、2トンを超える電気自動車のSUVが対象で、観光名所が集中する市中心部では駐車料金が1時間18ユーロ(約2900円)になる。
住民投票は4日午前9時から午後7時まで実施された。市の発表によると、約7万8千人が市内約200カ所の投票所に足を運び、賛成が54・55%を占めた。仏メディアによると、イダルゴ市長は「パリ市民は、安全と環境汚染を理由に、道路から(SUV)車両を制限したいと考えている。これは明確な選択だ」と述べた。
ただ、投票率は5・7%で、一部の区では反対が賛成を上回った。投票率など住民投票の成立に関する基準はなく、イダルゴ氏が昨年4月に実施した電動キックボードの貸し出しの是非を問う住民投票も投票率が約7%にとどまったことから、住民投票に頼る手法には強い批判もある。
朝日新聞デジタルより転用
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