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改名の白熊、「馬」を破って「シロクマ」で初白星 大相撲初場所


大相撲のしこ名に使われている十二支にちなんだ文字で、最も多いえとは今年の辰(たつ)だ。「龍」や「竜」であふれる角界に初場所、新たに登場したのは「シロクマ」。親しみやすい顔立ちとしこ名、そして確かな実力で飛躍を目指している。

 西十両6枚目の白熊は24歳。文字通り「しろくま」と読む。本名は高橋優太。福島県須賀川市出身で、新潟・海洋高から進んだ日体大では主将を務め、元横綱・稀勢の里が師匠の二所ノ関部屋に入門した。

 2022年夏場所、本名の「高橋」で初土俵を踏むと、序ノ口と序二段で優勝するなど、ここまでの9場所で一度も負け越すことなく、番付を上げてきた。

 23年九州場所の千秋楽に改名を告げた二所ノ関親方によると、優しそうな外見と、往年の名力士をほうふつとさせる力強さから、名付けたという。同じ右四つで、昭和から平成にかけて活躍した元大関の北天佑が「北海の白熊」の異名をとったことを踏まえ、「(シロクマは)狩りをする時の体の使い方やパワーの出し方にものすごいものがある。かわいさはあるが凶暴な面もある。老若男女から愛され、土俵の上では暴れてほしい」と期待を込める。

 インパクトの大きいしこ名に「僕っぽい。うれしいです」と相好を崩した白熊。自身、十両3場所目となった初場所初日の14日は、土俵入りから注目を集めた。しこ名を呼ぶ歓声や「白熊」と書かれたボードも掲げられ、「声援があってうれしかった」と喜んだ。

 初日は敗れたが、2日目の15日は千代翔馬(32)=九重部屋=に勝って、白熊として初白星を挙げた。「熊らしく、勢いのある相撲を取れた。素直にうれしい。勝って一安心」と言い、「シロクマ」と勝ち名乗りも受け、「かっこいい」と振り返った。

 千代翔馬のように、しこ名に「馬」が入る番付上の力士は14人で、十二支では「龍」か「竜」が入った「辰」関連の最多47人に次いで2番目に多く、3番目は「虎」か「寅」の入る10人。えとには入らないが、白熊と同様に「熊」をしこ名を使っている力士には、序二段の「黒熊(くろかげ)」がいる。

 色白でもある白熊は「外に出るときは日焼け止めを塗らないと。海には当分、行けませんね」と言って笑い、「子供からも愛されるお相撲さんになりたい。小さい子からも、場所に来た時に応援していただき、そこから相撲やりたいっていう子も出てきてくれれば」と話している。

 初場所では「まずは2桁(勝利)を目指したい。そこから一つ、二つ勝っていくと、幕内にもいけると思う」と白熊。「気は優しくて力持ち」の“お相撲さん”を体現するようなしこ名で、まずは幕内を目指していく。

毎日新聞

毎日新聞より転用


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