米欧で「支援反対」相次ぐ=ウクライナ、つなぎ止めへ奔走
- 国際
- 2023年10月3日
【イスタンブール時事】米欧各国でウクライナへの支援に反対する動きが相次ぎ、米議会で9月30日に可決された「つなぎ予算」では支援が除外された。ロシアからの領土奪還を目指すウクライナ軍の反転攻勢に重大な影響が出かねず、ウクライナ政府は支援維持に奔走している。
米国はウクライナにとって最大の支援国。バイデン政権はあくまで推進する方針を堅持するものの、野党共和党内の一部で反対論が強まっている。本予算を通す11月中旬までに合意が得られるかは不透明だ。
欧州では、ウクライナの隣国ポーランドのモラウィエツキ首相が、ウクライナのゼレンスキー大統領が9月の国連総会演説で穀物輸入規制を非難したことに立腹して「ウクライナに武器は送らない」と述べた。実際のところ支援は継続される見通しだが、ウクライナ産穀物の流入で国内農家からの反発が強まる中、今月15日に総選挙が行われることも意識した発言とみられる。
スロバキアで9月30日に行われた総選挙では、ロシア寄りの左派が第1党となった。英国でも7月、当時のウォレス国防相がウクライナ側の度重なる兵器支援要請を受けて「英国は(米インターネット通販最大手)アマゾンではない」と苦言。このほかウクライナへの軍事支援に反対する野党勢力などによるデモが各国で繰り返されている。
一方、ウクライナはロシアとの戦いは「世界の民主主義を守るためだ」(ゼレンスキー氏)と重ねて強調。ウクライナ外務省によると、つなぎ予算問題を受け、米国に対して支援継続を改めて働き掛けた。ウメロフ国防相は28日、首都キーウ(キエフ)を訪れたシャップス英国防相、ルコルニュ仏国防相らと会談。X(旧ツイッター)への投稿で「強力な支援継続への謝意」を表明した。
時事通信社より転用
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