イクラ高騰1キロ1万円 北海道のサケ不漁で 「秋の風物詩が廃れゆくよう」
- 企業・経済
- 2017年10月26日
10月の取扱量、前年6割減の市場も
北海道内の秋サケ定置網漁が記録的不漁となっている影響で、イクラの価格が2000年以降最高の1キロ当たり1万円台にまで高騰している。飲食店や水産業者は、メニューや価格の維持に四苦八苦する。サケの卵を狙った盗難事件も起きており、北海道を代表する秋の味覚を巡って混乱が広がっている。
「今年は自宅でのイクラ作りをやめようかな」。25日、札幌市中央区の鮮魚店で北区の主婦中村保子さん(71)がため息をついた。同店では、イクラの原料となる生筋子は100グラム当たり1250円。前年同期の5割増しの価格だ。
秋サケの不漁を受け、札幌市中央卸売市場の10月のイクラ取扱量(24日時点)は、前年同月と比べて6割減の35トンに減少した。半面、平均価格は1キロ当たり1万260円と、前年同月の2倍に跳ね上がっている。
イクラの市況と取扱量の推移
警察は密漁を警戒
釧路管内の水産加工会社は、イクラの製造量を昨年より3割減らした。「秋の目玉商品がこれでは、経営が立ちゆかない」と不安を漏らす。
後志管内岩内町のさけ・ますふ化場では24日、雌ザケ約170匹が腹を割かれて卵(69万円相当)が盗まれた。道警は密漁が増えるとみて警戒する。
サケの加工業に携わって40年以上という佐藤水産(札幌)の太田善晴名誉副会長(69)は「記録的な不漁が毎年のように続くと、イクラが食卓から遠くなる。秋の風物詩が廃れゆくようで寂しい」と懸念する。
一言コメント
滅多に食べないけど、もっと食べれなくなっていく・・・。
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