フグシーズン到来 下関で初競り コロナで需要減り安値に
- 政治・経済
- 2021年9月27日
山口県下関市の南風泊(はえどまり)仮設市場で27日未明、フグシーズンの到来を告げる初競りが開かれた。1キロ当たりの最高値は2020年より2000円安い1万8000円だった。主な出荷先の関東や関西地方で、新型コロナウイルスの感染拡大に伴う緊急事態宣言が続き、飲食店の需要が減ったことが影響した。
午前3時20分、「ええか、どうか」と威勢の良い競り人の掛け声とともに競りが始まった。フグの買い受けを希望する仲買人が、筒状になった黒い袋の中で順に競り人の指を握り、握った指の数で希望額を伝える「袋競り」という独特の方法で競り落とす。競り人は時折、「いけ、いけ」とあおり立て、仲買人は生きの良いフグを次々と競り落とした。
市場によると今シーズンは海水温が低く、今後、良質な天然のトラフグが水揚げされると期待される。市場を運営する下関唐戸魚市場の郷田祐一郎専務(58)は「相場は想定より良かったので、いいスタートが切れた。水産業界も飲食業界も皆が厳しい状況。そんな中でも漁師さんは非常に頑張っている。全国の皆様に安心安全なトラフグを食べてもらいたい」と話す。
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