菅内閣支持率64% 第2次安倍内閣発足時上回る 毎日新聞世論調査
- 政治・経済
- 2020年9月18日
就任後、初の記者会見をする菅義偉首相=首相官邸で2020年9月16日午後9時9分、竹内幹撮影
毎日新聞と社会調査研究センターは17日、JNNと共同で、菅義偉内閣の発足を受けて緊急の世論調査を実施した。内閣支持率は64%で、調査方法が異なるため単純に比較できないが、第2次安倍内閣発足時(2012年12月)の52%を大幅に上回った。不支持率は27%だった。
支持すると答えた理由では、「政策に期待が持てそうだから」が35%で最多だった。縦割り行政、既得権益、前例主義の打破などを打ち出しており、改革姿勢を強調している点に期待があるようだ。「安倍政権の路線を引き継いでくれそうだから」が30%で続いた。首相は「安倍政権の継承」を掲げており、一定の評価を得ている。「首相の人柄に好感が持てるから」が27%だった。地方出身で非世襲の「たたき上げ」などと評されていることが好印象を与えているようだ。「自民、公明の連立内閣だから」は5%だった。
支持しない理由では「安倍政権から代わり映えしないから」が61%だった。「政策に期待が持てそうにないから」20%、「自民、公明の連立内閣だから」が10%、「首相の人柄が好きになれないから」8%の順だった。
安倍政権からの変化を望む政策などを尋ねた質問では、「経済政策」が24%で最も多かった。首相は安倍内閣の経済政策「アベノミクス」の継続を主張しているが、変化を求める声が少なくないようだ。「新型コロナウイルス対策」との回答は21%だった。安倍内閣では、医療検査体制への不安や布マスクの配布などで批判を受け、支持率低下を招いた。首相は新型コロナ対策を最優先課題に掲げ、「感染拡大防止と経済活動との両立」を引き続き目指しており、今後の対応が焦点となる。
このほか「社会保障政策」は17%、「外交・安全保障政策」は9%だった。「首相の政治姿勢」は19%だった。安倍内閣では、「森友・加計学園」「桜を見る会」の問題で世論の批判が強まった。首相は桜を見る会について、来年以降の開催中止を表明したが、森友・加計学園問題を含め再調査は否定している。
菅内閣の閣僚や自民党役員人事の評価も聞いた。安倍内閣からは8人を再任、4人を再入閣させるなど経験重視の布陣とした。首相自身の後任として起用された加藤勝信官房長官については「期待する」は39%、「期待しない」は29%だった。河野太郎行政改革担当相は防衛相からの「横滑り」で、首相は改革への突破力に期待を寄せている。河野氏に「期待する」と回答した人は76%にのぼり、「期待しない」の13%を大きく上回った。
安倍内閣では菅氏とともに「骨格」だった麻生太郎副総理兼財務相の再任に関しては「評価する」が34%で、「評価しない」の54%を下回った。党人事で、総裁選で菅氏支持をいち早く表明した二階俊博幹事長を再任したことについても「評価する」21%が、「評価しない」56%を大きく下回った。
一方、首相と総裁選を争った石破茂元幹事長を閣僚や党幹部に起用しなかったことについては「妥当だ」が40%、「問題だ」が38%だった。
調査は、社会調査研究センターと毎日新聞、JNNが9月17日、18歳以上を対象に携帯電話のショートメール機能を使う方法を主体として調査した。コンピューターで無作為に数字を組み合わせた携帯電話と固定電話の番号に自動音声応答(オートコール)で電話するRDS法で対象者を抽出。携帯電話の場合は、調査を承諾した人にショートメールで回答画面へのリンク情報を送付。固定電話の場合は、自動音声の質問にプッシュ番号で回答してもらった。目標サンプル数を携帯700件・固定300件に設定し、携帯711件・固定314件の有効回答を得た。
一言コメント
期待を裏切らないでね。
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