35億人を襲う熱波、2070年までに居住不可能に 国際研究
- 国際
- 2020年5月7日
香港(CNN) もしも今のままのペースで地球温暖化が続いた場合、現在30億人が暮らしている場所が、50年後には暑すぎて人の住めない場所になるかもしれない――。考古学や気候学、生態学の専門家でつくる国際チームがそんな研究結果を発表した。
この研究は4日の米科学アカデミー紀要に発表された。気温が1度上がるごとに、10億人が別の場所への移住を余儀なくされるか、極端な猛暑に順応しなければならなくなると予測している。
米ワシントン大学の専門家はこの予測について、「私たちが今のやり方を変えなかった場合に起こり得る」最悪の筋書きと形容する。
研究チームが歴史的な世界気温と人口分布に関するデータを分析した結果、世界の人口の大部分は、年間平均気温が11~15度の地域に集中していることが分かった。モンスーンの影響を受ける南アジアの地域には、20~25度の温度帯が存在する。
空調などの技術が進歩しても、人類は過去6000年にわたってそうした環境に住み続けてきた。
しかし今、その状況が変化を強いられている。
地球の気温は2100年までに3度の上昇が予想される。陸上は海上に比べて温暖化のペースが速いことから、人が経験する気温は2070年までに約7.5度の上昇が見込まれる。
そうした変化は食糧生産や水資源の確保に重大な影響を及ぼし、移住に伴う衝突や紛争を発生させる。
地球上で最も気温が高いのはアフリカのサハラ地域で、年間平均気温は29度以上。そうした過酷な環境に覆われている地域は地球の陸地の0.8%にとどまる。
しかし研究チームの予測では、この極端な暑さは2070年までに地球表面の19%に拡大し、35億人に影響が及ぶ。
影響を受ける地域には、アフリカのサハラ砂漠以南、南米、インド、東南アジア、アラビア半島、オーストラリアなどが含まれる。南京大学の専門家によると、こうした地域では人口が急増しており、特にインドとナイジェリアは、過酷な気温の下で暮らす人口が最も多い国になると予想される。
研究チームが予測する35億人という気候移民の数は、世界銀行の推計を大きく上回る。世界銀行の推計では、南アジア、サハラ砂漠以南、中南米で1億4300万人が移住を強いられる恐れがあると予測していた。
ただし希望はある。世界の二酸化炭素排出量を、迅速かつ大幅に削減すれば、過酷な暑さにさらされる人の数を半減させることも可能だと研究チームは指摘している。
一言コメント
人が住めなくなる国も出てくる!?
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