消毒アルコール 生産2倍超に 新工場計画も
- 企業・経済
- 2020年3月29日
新型コロナウイルス感染防止に重要な消毒用アルコールが品不足となり、メーカーが増産を続けている。3月の生産量は前年同月比で2倍を超える見通しだ。生産能力いっぱいだが十分に需要に応えきれておらず、設備増強のため国が一部企業に補助金を支給した。さらに長期化するとの見通しから新工場を設ける企業もある。(粂博之)
手指の消毒用アルコールでシェア8割の最大手、健栄製薬(大阪市)は「例年の3倍のペースで生産している」。製品は60~500ミリリットル入りで複数展開し、1日計10万本となる。さらに長期化するとみて三重県松阪市の工場の生産ライン増強や、新たな工場購入の検討を進めている。
出荷に関して消費者からの問い合わせもあるが、「生産に問題はなくフル稼働で対応しており、順次出荷している」という。
ライオンは、消毒用アルコールジェルとハンドソープを合わせた生産量を前年の1・5倍に引き上げた。「原料も容器も何とか足りている。見通しは難しいが需要に応えたい」としている。花王も「最大限の生産能力で連日フル稼働」。現行の商品はポンプ付きのボトル入りと、ボトル入りだが新たに、詰め替え用を導入する計画だ。
サラヤ(大阪市)は三重県の伊賀工場でフル生産。懸念は容器を中国から調達しており、足りなくなる可能性があること。国内調達への切り替えを検討中だ。一方、今月4日に関東工場(茨城県北茨城市)が完成し、ハンドソープや食器用の除菌スプレーの生産を増強した。「手洗いや身の回りの除菌の需要にも応えたい」としている。
経済産業省はアルコール消毒液の生産設備増強に対する上限3千万円の補助金制度を設け、ダイゾー(大阪市)、ドーバー酒造(東京)、日興製薬(岐阜県羽島市)、丸石製薬(大阪市)の4社に支給した。同省素材産業課によると、消毒用アルコールの生産は2月が前年同月比1・7倍の170万リットルだった。3月は同2倍となる200万リットルを大幅に上回る見通し。
一言コメント
マスクのようになくなることはなさそうだ。
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