JDI、利益底上げか 不適切会計疑惑
経営再建中の中小型液晶大手ジャパンディスプレイ(JDI)が元幹部からの通知を受けて行った不適切会計疑惑の調査で、過去の決算で営業利益を底上げしていた疑いがあることが25日、分かった。同社は利益底上げの疑いについて「社外委員のみで近く設置する第三者委員会の調査に委ねる」(広報部)と説明している。調査結果によっては再建の行方に影響が予想される。
JDIは24日、過去の決算で在庫を累計100億円程度、過大に資産計上し、その後、全額を取り崩していた疑いがあると発表した。関係者によると、液晶パネルの在庫を過大計上すると、その分、営業利益が底上げされる効果があるという。第三者委は2012年4月から19年9月までの決算内容を調査する。過大計上は遅くとも18年までに相殺されたとみられる。
不適切会計疑惑は、会社の資金を着服したとして18年12月に懲戒解雇された元幹部が今年11月下旬、JDIへ送ったメールで浮上。元幹部は「不適切な会計処理を行っていた」「経営陣からの指示があった」と主張したが、その後、死亡した。自殺とみられる。
JDIは今月12日、独立系投資顧問会社いちごアセットマネジメントのグループと800億~900億円の資金調達に向けて基本合意したと発表した。いちご側には不適切会計疑惑を説明しており、「現時点で資金調達交渉への影響はない」と強調している。しかし、疑惑の全容は判明しておらず、予断を許さない状況が続きそうだ。
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いよいよ不安になってきた…
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