天皇陛下の「おことば」が変わった瞬間 14万人超の“熱気”に満ちた一般参賀〈AERA〉
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- 2019年5月5日
新天皇の即位を祝う一般参賀が、4日、皇居で行われた。新天皇が公式行事で国民の前に姿を見せるのは初めて。朝から長蛇の列ができ、宮内庁は開門時間を予定より20分早めた。
午前10時から始まった最初のお出ましでは、天皇、皇后両陛下、秋篠宮ご夫妻をはじめ皇族がたが宮殿「長和殿」のベランダに立ち、陛下が「おことば」を述べた。少し緊張した面持ちながら、参賀者の声援に応えるように、何度もうなずきながら手を振った。
陛下の「おことば」が変わったのは5回目のお出ましから。途中、「このように暑い中、来ていただいたことを深く感謝いたします」と参賀者を気遣う言葉が加わっていた。
■皇室ファンが見る皇后さまの“勝負カラー”
1993年の婚約会見では、レモンイエローのワンピースに、飾りのついた同じ色のピルボックス帽を着用していた皇后さま。皇后となって初の公式行事である今回の一般参賀でも、鮮やかな黄色のドレスを着ていた。
皇后雅子さまを応援してきたという女性は、洋服の色を見て、興奮してこう語る。
「ご婚約会見のときのお召し物に少し似ていると感じました。雅子さまにとっての、勝負カラーなのかな」
朝4時から並んだというブラジル・サンパウロ出身の鈴木エルメスさん(44)も、最前列で両陛下のお出ましを待ち構えた一人だ。皇室ファンで、陛下が2008年にブラジル日本移民百周年記念式祭典で同国を訪れた際にも駆けつけた。18年12月に来日し、上皇さまの誕生日と19年1月に行われた一般参賀にも参加したという。
「祖父母が日本人で、陛下が皇太子としてブラジルに来られたときにもお目にかかりました。いまは環境教育を学んでいて、ブラジルの水不足を何とかしたい。水問題を研究されてきた陛下に共感しています。昭和に生まれて、平成で初めて日本に来て、令和を迎えられた。20年まで日本にいるので、今後の行事も参加します。ドキドキです」(鈴木さん)
この日は晴天に恵まれ、東京の最高気温は24.8度という夏日に近い気温。体調を崩す人が続出した。救護テントに入りきらず、地面に敷かれたシートの上で横になる人もいた。
いたるところから助けを求める声が上がり、救護にあたっていた皇宮警察も「何が何だかわからないですね」とこぼす。お出ましの2分前、ぐったりした高齢の女性が、「雅子さまが見たいから」と車いすに乗るのを拒み、対応にあたったスタッフから「連れていきませんから」となだめられる一幕もあった。
訪れた人は14万余。平成への代替わりの際の一般参賀を3万人以上超える。5回目のお出まし後は天候が崩れたが、6回目はお出ましを10分早め、雨に降られることはなかった。
【天皇陛下のおことば全文(1回目)】
このたび、剣璽等承継(けんじとうしょうけい)の儀、および即位後朝見(そくいごちょうけん)の儀を終えて、きょう、皆さんからお祝いいただくことをうれしく思います。ここに皆さんの健康と幸せを祈るとともに、我が国が諸外国と手を携えて、世界の平和を求めつつ、いっそうの発展を遂げることを心から願っております。
一言コメント
この盛り上がりは一般参賀というより特別参賀だ。
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