大塚家具の久美子社長「いつか理解してもらえる」 父・勝久氏との雪解けめぐり
- 企業・経済
- 2019年3月5日
業績不振がつづく「大塚家具」の大塚久美子社長は3月4日、日本外国特派員協会(東京都千代田区)で会見を開いた。久美子氏が会見に臨むのは約1年ぶりで、多くの報道陣が集まった。
●価値観共有するグループ発足させたい
大塚家具は3期連続の最終赤字になったことに加え、日中の越境EC(電子商取引)を手がける「ハイラインズ」(陳海波社長)と資本業務提携を結んだことを2月15日に発表。陳氏が久美子氏に対し、創業者で父の勝久氏と和解するよう提案していたと報じられていた。
久美子氏は、勝久氏との和解について「上場会社の経営としての考え方は異なるが、愛着ある高品質の家具を長く使うという価値観は全く同じで、父にはそれをいつか理解してもらえると信じている」と語った。
和解提案の有無や、実際に和解を申し入れるのかどうかについては、言及をしなかった。
一方、安く買って合わなくなったら捨てて買い換えるスタイルを否定しないとしつつ、「長く使うという価値観」を共有し社会に広げていくグループを立ち上げる必要があると指摘。「そういうものができたら、父にも参加してほしいと思っている」と話した。
●スピードを100倍にあげて再建へ
本業の立て直しについては、ハイラインズを含む財務強化策により、最大76億円の資本増強になると説明。「守りから攻めに打って出る姿勢が整ったことになる。創業50年になる今年、日本から一歩踏み出します。スピードを100倍にあげてやっていきたい」と述べた。
3期連続の最終赤字となり、経営責任を問う質問も記者からは出た。久美子氏は「スピードを上げて早く会社を良くすることに責任がある」と答えた。
久美子氏と勝久氏は経営方針をめぐり対立し、2015年3月の株主総会では激しい委任状争奪戦が繰り広げられた。このとき大塚家具を追い出された勝久氏は、高級家具を売る「匠大塚」を立ち上げた。
一言コメント
次の決算が大きな目途になるだろう。
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