九電、料金本格値下げへ 「競争の武器そろった」 厳しい環境下で攻勢に
- 企業・経済
- 2019年2月20日
九州電力の池辺和弘社長は19日、家庭向け電気料金引き下げの検討を始めたと明らかにした。値下げ幅は数%程度とみられ、経済産業省への届け出を経て、4月実施を目指す。九電の料金改定は平成25年5月に6・23%引き上げて以来、約6年ぶり。原発4基の安定稼働を背景に、攻勢に転じる。
池辺氏はあわせて、3歳未満の子供がいる世帯や、移住者向けに、より安いプランを導入する考えも示した。こちらは、他の電力会社へ2年間は転換しないことを条件とするスマートファミリープランの契約が、必要となる。
値下げ原資は、再稼働した原発が生み出した。
30年6月、玄海原発4号機(佐賀県玄海町)が再稼働し、九電は6年半ぶりに原発4基体制に復帰した。大きなトラブルはなく、今後も安定して稼働できると判断した。
東京電力福島第1原発事故後、全原発が停止したことで、九電は4期連続の赤字に陥り、料金値上げに追い込まれた。小売り全面自由化後は、他の大手電力や新電力に攻められた。今年1月末までに、家庭向け契約数の1割に当たる計70万3千件もの切り替え申請があった。
九電は値下げによって、顧客奪還と新規獲得を目指す。池辺氏は「競争の武器はそろった。(原発という)コスト優位性がある電源がある。正々堂々と戦う」と述べた。
一言コメント
「値下げ」のニュースは久しぶりだ。
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