水ガニの捕獲自粛へ 初豊漁で枠上限迫り 残る枠は松葉ガニ漁優先 但馬
- 政治・経済
- 2019年1月16日
日本海のズワイガニの資源保護で、兵庫県(但馬地域)に割り当てられた今季の漁獲枠が84・5%に達し、底引き網漁船(48隻)でつくる「県機船底曳網漁業協会」(会長・川越一男浜坂漁協組合長)は、2月1日からの水ガニ(脱皮直後のオス)の操業自粛を決めた。水ガニの全面自粛は初めてで、残る漁獲枠は松葉ガニ(オス)を優先する。
漁獲枠は国が設定する「総漁獲可能量制度」(TAC)。スルメイカ、サンマなども対象魚種で、ズワイガニは松葉ガニ、セコガニ(メス)、水ガニの総量。富山県以西の今季は昨季より約15%減の2348トン、兵庫県は994トン(昨季1165トン)となった。
このため、同協会は今季に向け、松葉ガニの甲羅サイズを引き上げたり、セコガニの漁獲上限を設定するなどの自主規制を実施した。しかし、11月6日から始まったズワイガニ漁は好天に恵まれ、出漁回数が増加。セコガニは12月末で今季を終えたが、“豊漁”の影響で漁獲枠は一気に上限に近づいた。
但馬地域の民宿、観光業者から「松葉ガニはもう獲れないのか」と懸念する声が上がり、同協会は11日に香美町内で役員会を開き、さらに水ガニ(2月末まで)の操業自粛を決めた。
但馬地域の水ガニの漁獲量は昨季が約167トン。残る約15%の漁獲枠(約150トン)は松葉ガニを優先し、川越会長は「われわれは無責任な資源管理はしない。松葉ガニの漁期(3月20日まで)の終了間際まで、松葉ガニを提供したい」と話している。
一言コメント
資源保護も大切だ。
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