福岡市長3選・高島氏「世界のリーダー都市に」
- 政治・経済
- 2018年11月19日
「福岡をアジアの、世界のリーダー都市にするため、皆さんと一緒に全力で取り組む」。福岡市長選で3選を果たした無所属現職の高島宗一郎氏(44)=自民支持=は、「当選確実」の一報に沸く事務所で、声を張り上げた。(中村雅和)
今回の選挙は、共産推薦の無所属新人、神谷貴行氏(48)との一騎打ちとなった。高島氏は2期8年の実績を背景に、当初から優位にあった。
それでも高島氏は、市内全144小学校区を行脚する「どぶ板作戦」を採った。市民の声を直接聞き、当選後の市政運営に生かす狙いだった。
そこには、地域や市民とのつながりを深めることで、自民党市議団を牽制する意図もあったとみられる。
同市議団とは、節目節目で対立が表面化しただけに、陣営幹部は「単に勝つだけでなく、どのように勝つかが大事だ」と語った。
一方、高島氏は政権中枢との距離は近い。
初当選時からの後見役である麻生太郎副総理兼財務相は、告示前を含め2回、マイクを握り、高島氏を応援した。
自民党本部は「高島市長はアベノミクスの体現者だ」として、選挙中の15日、支持を決めた。市議団は、無視された格好になった。
来春の市議選に向け、市長と市議団の関係が注目される。
高島氏はこれまで、「アジアとのゲートウェイ都市」を掲げてきた。今回の選挙では「アジア・世界とのゲートウェイ」とした。
福岡市は「創業特区」を活用し、起業家の中で「福岡市で事業をしたい」と思わせるまで、知名度を上げた。
来年に開催される20カ国・地域(G20)の財務相・中央銀行総裁会議や、世界水泳選手権(2021年)の誘致にも成功した。全国の政令指定都市で唯一、税収の5年連続過去最高も達成した。
公約に「世界」という言葉を盛り込んだのは、2期8年の自信の表れだろう。
新たな都市像として、ロープウエー構想も公約に書き込んだ。
一方、九州最大の都市として、高齢化対策や子育て支援策は待ったなしだといえる。
高島氏は周囲に「成長している今でなければ、大胆なチャレンジはできない。早くやらないと、間に合わなくなる」と危機感を吐露する。
今後4年間、福岡市から新たな社会に対応した都市モデルや、政策パッケージが生まれれば、少子高齢化に悩む日本全体の処方箋ともなり得る。
「次の4年で一つでも多くの施策を実現したい。そのための財源をしっかり稼ぐ都市になりたい」
高島氏はこう語った。
一言コメント
抵抗勢力に負けるな。
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