“おしゃれ卓球”ブーム到来 地味なイメージから一転、市場拡大の機運
卓球ブームの波が押し寄せている。牽引役は五輪などで活躍する若い選手や、これまでの地味なイメージから一転、おしゃれに様変わりしたウエアだ。総合型スポーツクラブでは国内初となる卓球スクールが開講し、卓球を体験できるバーも登場、ブームを後押しする。今年10月に卓球の国内リーグである「Tリーグ」の開幕を控え、市場拡大の機運が高まっている。(田村慶子)
市場調査会社の矢野経済研究所(東京)によると、平成28年の国内の卓球用品市場の規模は122億5千万円。30年は前年比約8・7%増となる138億4千万円にまで拡大する見込みで、スポーツ分野別で最も高い伸びを示している。
ミズノのコンペティションスポーツ事業部・玉山茂幸課長は市場拡大の背景を「五輪での日本代表選手の活躍に加え、シャツやシューズのデザインも良くなった。ファッション性が高まったことで、世代を問わず楽しめる卓球の良さが見直されている」と説明する。
ミズノもウエアや用具など卓球関連商品の昨年度売上高が好調で、26年度から約1・8倍に伸びた。2012年開催のロンドン五輪に続き、16年のリオデジャネイロ五輪でも日本勢がメダルを獲得。スピード感や気迫のこもるプレーとともに、選手の着るユニホームも注目を集めた。
ミズノ最大級の卓球売り場を誇る「ミズノオオサカ茶屋町」(大阪市北区)では、卓球女子日本代表の公式ユニホームと同デザインのシャツが「一部入荷待ちになるほどの人気」(販売員)という。来店客も親子連れから若いカップル、訪日外国人客まで幅広い。
単色のポロシャツを短パンに入れる着こなしがダサいイメージを助長していたが、随分おしゃれに変わってきた。シャツは文様やグラデーション色を生かし、スマートな印象に。女性用にスカートも投入された。白が基調で子供っぽさが際立っていたシューズも、ランニング靴のような鮮やかな色使いが増えている。
一方、コナミスポーツクラブ(東京)は7月に、総合型スポーツクラブで国内初となる卓球スクールを東京都内の2店舗で始めた。平成31年3月までに全国20店舗で展開する計画だ。
首都圏を中心にスクールを展開するタクティブ(同)と業務委託契約を結び、受講者のレベルや目標に合わせたレッスンを行う。「仕事帰りの会社員からシニアまで幅広く受講しており、小中学生向けのスクールはすでに定員に達した曜日もある」(コナミスポーツクラブ広報)という。さらに話題となっているのが、店内で卓球がプレーできるバー。最近は東京や大阪で店舗が増えている。
ウエアや用具の売り場、スクールを併設した日本初の卓球複合店舗「T4TOKYO」が昨年6月、東京都内にオープン。食事やお酒を楽しみながら卓球を体験できるレストランバーもあり、人気を呼んでいる。卓球を通してコミュニケーションが図れると、企業の懇親会やデートでの利用も多い。同店を運営するスヴェンソンホールディングス(東京)は「マイナーなイメージを覆し、卓球の魅力を広めていきたい」(広報)と、大阪など関西への出店に意欲を示している。
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