ローマ教皇フランシスコ死去、 88歳 初の中南米出身で改革進める
- 国際
- 2025年4月22日
[バチカン市 21日 ロイター] – ローマ教皇フランシスコが21日死去した。88歳だった。
教皇庁(バチカン)がバチカンテレビで午前7時35分に死去したと公表した。2月14日に肺炎などでローマの病院に入院、3月23日に退院。20日には、復活祭(イースター)の行事で退院後初めて公の場に姿をみせたばかりだった。
2022年2月のロシアのウクライナ侵攻以降は、ほとんどの公の場で平和を訴え、紛争を支持したロシア正教会のキリル総主教を批判したことで、正教会との関係が悪化した。
ハマスのイスラエル越境攻撃を巡っては人質解放を訴え、イスラエルのガザ攻撃が拡大ではイスラエルへの批判を強めた。
ベネディクト16世の辞任を受け2013年3月、初の中南米出身者として76歳で教皇に選出された。保守的なローマカトリック教会の改革を目指したが、内部に波乱を引き起こすことも多かった。
アルゼンチン出身で本名はホルヘ・マリオ・ベルゴリオ。貧しい人々への配慮で知られ、はみ出し者と見なされていただけに、教皇選出には多くの教会関係者が驚いた。
これまでの前任者が住んだ使徒宮殿内の華美な住居を利用せず、「精神的な健康」のために共同生活を送る方が良いと述べていた。
児童への性虐待を巡るスキャンダルで分裂していたカトリック界を率い、秩序回復という使命を担ったが、任期が進むにつれて保守派から伝統を破壊したと激しい批判にさらされた。一方で、さらなる改革を求める進歩派からも怒りを買った。
そうした中でも、移民など疎外された人々の側に立ち、宗教間の対話や平和への取り組みを推進。外国訪問先では多数の聴衆を集めるなど、高い人気を集めた。
2月現在で教皇は後継者を選ぶ枢機卿選挙人の8割程度を任命。これにより、保守派からの強い反発にもかかわらず、進歩的な政策が後継者に引き継がれる可能性が高まった。
Thomson Reutersより転用

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