横尾忠則さん、東京国立博物館に絵画102点を寄贈…大作「寒山拾得」シリーズ全点
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- 2024年8月31日
東京国立博物館(東京都台東区)は30日、文化功労者で現代美術家の横尾忠則さん(88)から自作の絵画102点の寄贈を受けると発表した。同館の所蔵品は、先史時代から20世紀初頭までのものが中心で、現代美術の絵画作品を収蔵するのは珍しい。
「横尾忠則 寒山百得」展の報道発表会に出席した横尾忠則さん(2023年4月、東京・上野公園の東京国立博物館で)=青山謙太郎撮影© 読売新聞
寄贈されるのは、横尾さんが2021~23年に制作した大作シリーズ「 寒山拾得(かんざんじっとく) 」全点。中国・唐の詩僧、寒山と拾得をテーマにした絵画で、昨年9~12月に同館表慶館で披露された。その後、今月25日まで神戸市の横尾忠則現代美術館で展示されていた。
1964年に東京国立近代美術館(当時・国立近代美術館)との間で作品の管理換えを行って以降、東京国立博物館は、おおむね20世紀初めまでの作品を扱ってきた。20世紀以降の作品は、東京国立近代美術館(東京都千代田区)や国立国際美術館(大阪市)などが収蔵し、国立館として緩やかに所蔵品のすみわけがなされていた。
横尾忠則「2022-12-12」2022年(上野則宏撮影)
東京国立博物館によると、コレクションには、 根付(ねつけ) といった工芸品や書など現代の作品も多少はあるが、21世紀の絵画を所蔵するのは 稀(まれ) だという。
同館は、東洋で伝統的な画題となっている寒山拾得図を複数所蔵しており、今回の寄贈分についても「さまざまな公開方法、手段を検討し、広く活用していきたい」としている。
同館は近年、現代美術展の開催にも力を入れている。現在も、いずれも現代美術家の内藤礼さん(1961年生まれ)の個展が本館と平成館で、中国出身の 王衍成(ワンヤンチェン) さん(60年生まれ)の展覧会が表慶館でそれぞれ開かれている。
読売新聞より転用
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