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焦点は日銀の追加利上げや米景気 4~6月期決算ピーク、純利益は過去最高ペース


令和6年4~6月期決算の発表が9日、ピークを迎えた。SMBC日興証券によると、8日までに決算を発表した東証株価指数(TOPIX)を構成する上場企業1042社(全体の73・3%)の純利益の合計は前年同期比7・4%増の12兆9840億円。記録的な円安基調を追い風に輸出企業が好調で4~6月期として過去最高水準となる見通し。7年3月期も4年連続で過去最高益を更新すると見込むが、達成には円高のリスクや米国景気の先行きが焦点となりそうだ。

■金融市場の急変動に警戒感

業種別では、輸出が多い自動車など輸送用機器、電機や機械などが好調だったほか、訪日客(インバウンド)需要の恩恵を受ける陸運や小売業も大きく伸びた。SMBC日興証券の安田光チーフ株式ストラテジストは「通期でも過去最高益を超える可能性のある堅調な決算」と分析する。

一方、金融市場ではこのところ不安定な局面が続いた。日銀が7月末に利上げに踏み切った後、米国経済の減速懸念が重なり、円相場は一時、1ドル=141円台まで急伸し、株価が急落するなどした。

日銀の利上げについては、「想定内の動き」(三井物産の重田哲也最高財務責任者(CFO))とみる向きが多かったが、その後の相場の急変動については警戒感を示す声もみられた。ホンダの藤村英司執行役常務CFOは「実質的な経済に波及し、金融不安みたいなところに移っていくことが非常に怖い」と身構える。

■米景気に「減速のシグナル」

9月にも米連邦準備制度理事会(FRB)が利下げを始めるとみられる米国の景気に対する見方は分かれた。ソニーグループの十時裕樹社長は「事業で気にしないといけないのは米国経済で、今はやや景気減速のシグナルが出ている」と語る。一方で、マツダのジェフリー・ガイトン専務執行役員兼CFOは「米国経済はリセッション(景気後退)とみるのは時期尚早で、ソフトランディング(軟着陸)を見込んでいる」と話す。

日銀の内田真一副総裁が7日の講演で当面、利上げに慎重な姿勢を示したことで、足元の為替レートもやや円安方向に振れている。ただ、日銀の情報発信や米国の景気次第では相場が再び大きく崩れる可能性もある。企業業績が今期も過去最高ペースで推移するかは来年の春闘を左右するだけに、予断を許さない状況が続きそうだ。

産経新聞より転用

産経新聞

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