エッフェル塔からセリーヌ・ディオンさん熱唱で最高潮…前例のない華やかな五輪開会式、１００年ぶりのパリ五輪開幕
- 国際
- 2024年7月27日
無観客の国立競技場で実施されたコロナ禍の東京大会開会式から３年――。「広く開かれた大会」というスローガン通り、セーヌ川両岸の約３０万人に見守られながら、国際観光都市パリを象徴する世界遺産の中を選手団が船でパレードした。前例のない華やかな開会式で、１００年ぶりのパリ五輪が開幕した。
レーザー光線で彩られたエッフェル塔（２６日）＝上甲鉄撮影© 読売新聞 提供
男女同数の出場枠を設定し、２０６の国などの選手団約１万人も、スタッフも、男女比率はほぼ５０％ずつを達成。セーヌ川を舞台にした開会式も、多様なスポーツと人々の魅力を提示した。
開会式で聖火を手にするサッカー元フランス代表のジダンさん（２６日）＝池谷美帆撮影© 読売新聞 提供
選手らは、火事からの再建が進むノートルダム大聖堂など、歴史的建造物のそばを船で行進。トロカデロ広場に集結して開会宣言が行われた後は、１００歳の元自転車フランス代表選手も含めた同国内外のレジェンドたちが聖火をつなぐ。最後は、ルーブル美術館近くのチュイルリー公園に設けられた聖火台に、柔道同国代表のテディ・リネールらが着火した。約４時間の大活劇は、フランス語を母語とするカナダ出身の歌手セリーヌ・ディオンさんがエッフェル塔から熱唱し、最高潮に。「パリをステージに、式典の歴史で革命を起こしたいと思った。今日、その挑戦は達成された」。演出責任者の一人は、感慨に浸った。
パリ五輪の開会式の終盤、エッフェル塔の上で歌を披露する歌手のセリーヌ・ディオンさん（２６日、パリで）＝池谷美帆撮影© 読売新聞 提供
２度目のパリ五輪の年、１９２４年に没した地元出身のノーベル賞作家、アナトール・フランスは短編「ピエル・ノジエール」でつづっている。「昼は空を映しながら船を運び、夜はまばゆい宝石と光の花々におおわれる、この川の奇跡には素直に感嘆した」。パリとスポーツの語り尽くせないほどの魅力を鮮やかに伝えた開会式も、世界の人々の心に響いたに違いない。３度目のパリ大会が、期待と高揚感に包まれ、本格スタートした。（平地一紀）
聖火台に点火され、フィナーレを迎えた開会式（２６日、パリで）＝原田拓未撮影© 読売新聞
読売新聞より転用
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