米政府、生体データ含む機微な個人情報販売禁止へ 中露など対象
- 国際
- 2024年3月1日
バイデン米大統領は28日、中国やロシア、北朝鮮など「懸念国」への、機微に触れる個人情報の大量販売を禁じる大統領令を出す。遺伝、生体データ、健康などに関する情報が対象となる。従来、米国や日本はデータの自由な国際的流通を推進してきたが、米政府は「国家安全保障上のリスク」を理由に規制強化に乗り出す方針だ。
米政府は、新たな規制の理由について「悪意のあるデータ販売業者が、軍人を含む米国民の情報を収集し、別の業者や外国の情報機関に販売する可能性がある。監視や詐欺、脅迫などに悪用される恐れもある」と説明した。
大統領令を受け、米政府は機微に触れる個人情報の販売禁止や、政府・軍当局者の個人情報の保護に関する新たな規則を作る。外国の情報機関などが投資、請負契約、雇用契約を通じて米国社会に浸透し、個人情報を入手するのを防ぐ方策も定める。今後、具体的な規制案を公表し、意見公募を経た後に施行する方針だ。
ただし、米政府は、中国などとの商取引に必要な金融サービスは規制対象外として維持する方針を明示し、中国経済との「デカップリング(切り離し)」を意図するものではないともしている。
米政府高官は、過去に米国民の情報を不当に利用した「懸念国」として、中国、ロシア、北朝鮮、イラン、キューバ、ベネズエラを指定する方針を示した。
毎日新聞より転用
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