経費扱いの交際費、上限「5千円」→「1万円」へ 政府・与党方針
- 政治・経済
- 2023年12月11日
企業が取引先との接待などに使う交際費のうち、税法上、経費扱い(損金算入)として非課税にできる「1人あたり5千円以下」の飲食費について、政府・与党は上限を1万円に引き上げる方針を固めた。物価上昇に伴い条件が厳しいとの声が出ていた。与党の税制調査会での議論を経て、今月中旬にも策定する税制改正大綱に反映させる。
税法上、交際費は損金不算入が原則だが、2006年度の税制改正で1人5千円以下の飲食費は除外され、損金として算入できることになった。
法人税は益金から損金を差し引いた金額に税率をかけて決めるため、企業としては損金算入できると税負担が減ることになる。中小企業向けには、800万円までは損金算入できる特例もある。
1990年代初頭に約6兆円だった企業の交際費は、近年は約3兆円まで半減している。上限を引き上げることで、中小企業と大企業の間の取引の維持や拡大、コロナ禍でダメージを受けた飲食産業の活性化、といったねらいがある。与党幹部からは「企業が飲食費を使えば経済もまわっていく」との声が出ていた。
日本商工会議所は、接待飲食費の額を社内規定などで1人5千円以下としている企業が多く存在することから、「税制が法人の飲食需要の拡大に水を差している」と指摘し、2万円以下への引き上げを求めている。
朝日新聞デジタルより転用
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