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自民・女性局のパリ研修に「観光のよう」SNSで批判殺到 松川議員は研修成果を“政策として実現したい”と強調


自民党女性局が、パリ研修の際、SNSに投稿した写真に対して、批判の声が出ている。

自民党女性局のパリ研修について、政治部の高田圭太デスクがお伝えする。

仏研修が「観光のよう」と批判殺到

今回の女性局の研修の騒動、何が問題だったのか考えると、色々な論点がある。まず、騒動を簡単に振り返る。

自民党の女性局という組織が7月下旬、トップの松川るい局長や今井絵理子議員、地方議員ら38人で、フランスを訪れた。

少子化対策などの研修のための訪問だったが、その際に、松川議員がエッフェル塔前でポーズを撮った写真をSNSに投稿したところ、「観光のようだ」などと批判を浴びた。

また、他の議員が研修中の食事の写真も投稿したところ、「ぜいたく」と批判の声が出た。これを受け、1日には松川議員が次ように釈明した。

自民党・松川るい女性局長:

視察というか研修自体は有意義だったと思う。SNS上の発信について、不適切なものがあったと思う。誤解を与えたことについて反省している。

このように“誤解”を与えたという釈明だが、“誤解”という表現にSNS上では再び批判が出た。

なぜ、このような投稿をしたかについて松川議員は、「大阪の地元の方と撮った写真が、あれしかなかったので、最後にくっつけちゃった」と弁明している。

松川議員は東大出身で、外務官僚という経歴を歩んできた。そして、2人の子供の母親でもある。安保政策などに詳しく、理路整然としていて、やや勝ち気なところが政治家らしいという印象を持つ。今回、本人もここまで批判が広がるとは、思ってもみなかったと思われる。

なぜここまで騒動になったかというと、色々な理由が挙げられる。

過去に視察で“豪遊”した議員も

2017年に、香川県議6人がヨーロッパ3カ国を8泊9日で視察した様子を、フジテレビのカメラが取材した映像を振り返ってみる。

その後も香川県議6人は、さまざまな観光地で記念撮影をして、9日間で視察らしき行動はたったの約4時間だった。

しかし、この旅に県の税金約990万円が使われていた。そして、肝心の視察の報告書も、ウィキペディアの引用など内容の薄いものだったということで、フジテレビの報道を受けて裁判になり、費用約600万円の返金命令が出された。

これは地方議員の例だが、国会議員の視察についても、非常に厳しい目が向けられていた。そうした中での松川さんの写真は、国民の感情を逆なでる部分があったのではないだろうか。

ただし、この視察と今回の自民党女性局の視察は違うものだ。今回の自民党の女性局の研修の日程の全容は不明だが、女性局のSNSに写真があるように、フランスの国会議員との意見交換や保育所の視察など研修をしていて、かなりキツキツの日程だったという。

もう一つはお金の問題だ。先ほどの県議の視察の費用はすべて県の税金だったが、今回の自民党女性局の研修の費用は、国会議員は30万円、それ以外は20万円を払い、残りは「党のお金」の支出だった。そのため、直接税金が使われているわけではなかった。

政党交付金の割合は“約70%”

しかし、党のお金には国民の税金で賄う“政党交付金”が含まれる。

党の収入には、党員の党費や政治献金などもあるが、税金でまかなう「政党交付金」の割合は2021年の実績で約70%であり、これは243億円のうち169億円に上る。

自民党は、今回の視察に政党交付金は使っていないというが、金に色はついていないので、政党交付金の使途報告に含めなければ検証はしづらい。なので、完全に税金が使われていないと言えるかは微妙なところだ。

政党交付金というのは、企業・団体献金などによる癒着や汚職が問題になってきたことを受け、政治家のお金は国民が「1人コーヒー1杯のお金を、250円を負担しよう」といって、1994年の政治改革で導入されたもの。

つまり、政党交付金がなくなってしまうと、また元の金権政治になってしまうとの懸念もあるため、しっかり有効に使ってもらうことが大切だ。

38人という研修の人数について、妥当だったのかという質問については、松川議員もそこはちょっと歯切れが悪くなった。

記者:

「(38人ではなく)少人数でもよかったのでは」

自民党・松川るい女性局長:

そこは理由はあるんですけど、もうこれ以上はちょっと、この話を私は長引かせて、研修はすごく有意義なことなので、その疑問を持たせるということは本意ではありませんので、これで終わりにさせていただきます。

このように明確な答えはなかったが、参加者の1人は、「美術館の一つくらい視察したかったけど、全国の女性局の皆さんと知り合えたのは人生の宝だ」と語っている。

こうした海外訪問というのは、与野党問わず、それぞれの議員らの関係を深める大きなチャンス。そうした人間関係の構築や女性局の都合もあって、人数が膨らんだ可能性は考えられる。

しかし、ただ親交を深めて終わってしまうだけではダメで、研修の成果が大事だ。

松川議員は、研修の成果を「政策として実現していきたい」と強調。具体的にはフランスが実施している「3歳以上の教育義務化」、その中での「算数と国語教育の強化に取り組むことでの教育格差是正」を強調していた。

これにも賛否両論あると思うが、しっかりと研修の成果を記者し、政策議論の材料にして欲しい。

(「イット!」 8月2日放送より)

FNNプライムオンラインより転用


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