福岡県警、警視ら3人を懲戒処分 情報漏えいなど「関係を保つため」
福岡県警本部=森園道子撮影© 毎日新聞 提供
警察内部の専用端末を使って得た事件や事故に関する情報を知人や報道関係者らに漏らしたなどとして、福岡県警は19日、警視ら3人を減給などの懲戒処分とした。県警の調査に「相手との関係を保つために漏らしてしまった」などと、いずれも事実を認めているという。3人は同日付で依願退職した。
懲戒処分を受けたのは、いずれも男性で、県警本部少年課管理官の警視(48)=減給100分の10(3カ月)▽鉄道警察隊班長の警部(55)=同(6カ月)▽八幡西署警備課係長の警部補(44)=戒告。3人は職務上知り得た情報を漏らしたほか、いずれも既婚者でありながら複数の女性と不適切な関係を持った。
警視については、2020年に県内であった地方選挙で、同僚3人に特定の候補者への投票を依頼したことも分かり、県警は公職選挙法(特定公務員の選挙運動の禁止)違反容疑で書類送検した。警部補についても22年4月に犯罪歴などの個人情報を知人に漏らしたとして、地方公務員法(守秘義務)違反容疑で書類送検した。いずれも19日付。
県警は22年、捜査情報などを暴力団組員らに漏らしたとして、田川署巡査長(当時)を地公法(守秘義務)違反容疑で逮捕。事件を受けた監察官室の内部調査で、職員間にSNS(ネット交流サービス)を利用した複数のグループがあり、一部では警察内部の不祥事の情報や個別の捜査情報などが共有されていた。調査の過程で今回の不祥事も発覚したという。
県警は他にも警察官と警察職員計十数人を、不適切な情報の取り扱いで訓戒や注意としたが、「公表対象ではない」として詳細は明らかにしていない。
桐原哲夫首席監察官は「県民の皆様に深くおわび申し上げる。情報の取り扱いに関する指導などを徹底し、再発防止に努める」とのコメントを出した。【近松仁太郎】
毎日新聞社より転用
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