米韓首脳が「ワシントン宣言」発表へ…NATOモデルに核抑止の協議体創設
- 国際
- 2023年4月27日
【ワシントン=田島大志、中川孝之】米国のバイデン大統領と韓国の尹錫悦(ユンソンニョル)大統領は26日午前(日本時間26日深夜)、ワシントンのホワイトハウスで会談する。両首脳は会談後、核抑止力の強化に向けた新たな協議体の創設を柱とした文書「ワシントン宣言」を発表する。
バイデン米大統領(右から2人目)と韓国の尹大統領(同3人目)=25日、AP© 読売新聞
米韓両政府の高官によると、協議体は「米韓核協議グループ」(NCG)という名称で定例化する。核・ミサイル開発を進める北朝鮮をにらんだ米軍の核戦略について、韓国に「発言権を与える」(米高官)ものになるという。
北大西洋条約機構(NATO)に核抑止についての閣僚レベルの協議体「核計画グループ」があり、米韓の協議体のモデルになる。韓国では米国の「核の傘」を含む拡大抑止が実際に機能するのかどうか不安視する声があり、これを払拭(ふっしょく)する狙いがある。
ワシントン宣言には、米軍の空母や戦略爆撃機などを朝鮮半島に展開する回数を増やし、北朝鮮への圧力を強める方針も盛り込まれる。米高官は、米軍の弾道ミサイル搭載型の原子力潜水艦を1980年代初頭以降で初めて、韓国に寄港させる計画を明らかにした。
韓国内で独自の核武装論が高まっていることを踏まえ、宣言では、韓国が核拡散防止条約(NPT)体制を尊重し、永続的に独自の核武装を行わない方針を確認する見通しだ。
読売新聞 より転用
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