兵庫・洲本市のふるさと納税返礼品 調査で違反続々判明、全体の25%に
- 政治・経済
- 2022年12月14日
兵庫県洲本市がふるさと納税返礼品の調達率を3割以下とする基準に違反し、制度から除外された問題で、同市の第三者調査委員会(委員長=河瀬真弁護士)は13日、除外前の今年4月25日時点で登録していた返礼品1195品のうち、301品が違反だったと明らかにした。
同市の除外は今年5月1日から2年間。6月時点で市は、除外理由となった温泉利用券以外にも肉や野菜など120品に違反がある恐れがあるとし、総務省に報告していた。9月に発足した第三者委の調査で2・5倍に膨らんだ。
第三者委によると、301品のうち111品は調達費が基準を超過していた。174品は梱包費などを含め5割以下とする基準を超えていた。河瀬委員長は「調査中のため品目は明かせない」とした。 残る16品は牛1頭分の対価を業者に支払っていたため、個別の品目の寄付額に対する調達費が基準内かどうか検証ができていないという。
第三者委は返礼品の出荷実績がある115業者にアンケートを実施。11月末までに回答した90業者のうち36業者で同市以外での生産が疑われるとし、聞き取り調査をする。
■「おまけ」のタマネギスープの素も
洲本市のふるさと納税で国基準違反の返礼品が301あったと報告した第三者調査委員会。13日の第2回会合で、制度除外の理由となった返礼品「洲本温泉利用券」に同封していたタマネギスープの素などの「おまけ」についても、制度違反で不明朗な公金支出と指摘した。
同市の管理簿と発送済みリストで2020年度と21年度分を調べた。タマネギスープの素はスティック形で、2年間計11万7720本(706万3200円分)を送った。現在も庁舎に45万本以上が保管されているといい、単純計算で数千万円の支出となる。おまけはほかに、クオカードと商品券があった。
第三者委は、市が21年末に返礼品として調達したおせち料理も問題視した。1万2千円を千セット、3万6千円を千セットの計4800万円を支出したが、上村敏之委員(関西学院大学経済学部教授)は「半数以上は返礼品として発送されておらず使途不明。誰かに配った可能性がある」と指摘した。
タマネギスープとおせち料理は、議会の承認が必要な2千万円以上の支出だが手続きを経ていないとし、河瀬真委員長(弁護士)は「どこまで事実認定できるか分からないが究明に努める」と話した。
神戸新聞NEXTより転用
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