18~19歳新成人の「脱毛エステ」トラブル急増 高額勧誘、閉店…相談7倍に
- 政治・経済
- 2022年12月2日
原宿・竹下通りを行き交う若者ら(写真と本文は関係ありません)=東京都渋谷区(松井英幸撮影)
今年4月に成人年齢が18歳に引き下げられ、新たに成人となった18歳と19歳の若者の間で、脱毛エステに関するトラブルが急増している。国民生活センターによると、高額なプランに契約してしまうケースなどが相次いでおり、注意を呼びかけている。
全国の消費生活センターに寄せられた18歳と19歳の相談件数は5108件(令和4年4月~10月)で、前年同期より一番多かったのが「脱毛エステ」の716件、2位が「出会い系サイト・アプリ」で249件だった。そのほか、架空請求などの「商品一般」(241件)、転売ビジネスやアフェリエイト内職などの「他の内職・副業」(241)、「賃貸アパート」(149)が続いている。
脱毛エステに関する相談は、前年同期から約7倍に急増。国民生活センターの担当者によると、「格安のお試しプランの広告を見て来店したが、高額のコースを勧誘されて契約してしまった」「店が倒産してしまった」といった相談が寄せられたといい、急増の背景には、広告や需要の増加、脱毛エステの倒産などがあると見ている。 民法改正で4月から成人年齢が18歳に引き下げられ、ローンやクレジットカードの契約が可能となり、親の同意なく結んだ契約を取り消すことができる「未成年者取消権」を18歳から行使できなくなった。こうしたことから、若者の消費者被害の増加が懸念されている。担当者は、現時点で成人年齢引き下げの影響と判断できないとしながらも、「月々の支払いは安くても総額では高額になる場合もある。契約時には、くれぐれも注意してほしい」と呼びかける。 リサーチ事業などを行うテスティーが5月に行った調査によると、脱毛サロンやクリニックで脱毛を経験した高校生は22・0%、大学生は37・8%に及ぶ。 消費者問題を専門とする洞澤美佳弁護士は、「SNS(会員制交流サイト)などを通じて、他人の目や、自分をよく見せることを意識する機会が増えた」とし、若者の美意識の変化によって美容関係の消費が増え、トラブルの増加にもつながっていると指摘。
知識や経験の少ない若者への教育の充実や消費者トラブルの周知が喫緊の課題だと強調する。 洞澤弁護士は、契約から8日以内(マルチ・内職・モニター商法は20日以内)であれば契約を解除できるクーリング・オフ制度を利用したり、「不安に感じたらすぐに消費生活センターなどに相談してほしい」と話す。 消費生活センターでは、3桁の番号「188(いやや!)」でつながる消費者ホットラインで相談を受け付けている。
産経新聞より転用
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