無人のローソン・ファミマ拡大…QRコードで入店、商品持って出たらカード決済
- 政治・経済
- 2022年11月7日
■経済活動 本格回復 人手不足 再び深刻化
コンビニ大手が無人決済店舗を徐々に増やしている。コロナ禍からの経済活動の本格回復に伴って人手不足が再び深刻になりつつあり、レジ打ち業務をなくすことで店員の負担を軽減する狙いがある。
ローソンは10月、三菱食品本社ビル(東京都文京区)内に無人決済店舗「ローソン ゴー」をオープンした。客はあらかじめスマートフォンの専用アプリにクレジットカード情報を登録。アプリのQRコードをかざして入店する。客が手に取った商品は、天井にあるカメラや棚の重量センサーを使い、人工知能(AI)で検知する。客は店を出るだけで、登録したクレジットカードで支払いが済む。
売り場面積は約11平方メートルで、標準的な店舗の8分の1程度。利用は三菱食品の社員のみで、おにぎりや弁当、飲料など約170品を販売している。当面は、利用者を限定できるホテルや高層マンションなどを中心に広げたい考えだ。
ファミリーマートは昨年3月、ローソンと同様に手に取った商品をAIが判別し、客がセルフレジで支払う無人決済店舗を始めた。2025年2月末までに、AIを使わないセルフレジの店も含めて計1000店舗に拡大する計画だ。
■新規出店にも
無人決済店舗が広がる背景には、業界の人手不足がある。コロナ禍で時短営業や休業を迫られた飲食店などから人材が流れてきたことで、一時は人手不足が緩和された。しかし、最近は経済活動の活発化や訪日客の増加で、再び人員確保は難しくなりつつある。
技術の向上も無人決済店舗の普及を後押しする。ローソンは20年に川崎市にある富士通の事業所で同様の店舗の実験を始めたが、コロナ禍で本格的な導入を見合わせた。その後にセンサーなどの性能が向上し、今回の新店舗では70グラム以下の軽量商品も取り扱えるようになった。
近年は国内のコンビニ店舗数が約5万5000店で頭打ちとなる中、新規出店の有力な手段になるとの見方も出ている。従来の店舗より狭い面積でも出店できるためで、「少人数で運営できる無人決済の小型店は、拡大の余地が大きい」(業界関係者)との声も上がっている。
読売新聞より転用
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