ジョンソン英首相が辞任表明、相次ぐ不祥事で引責 閣僚50人超離反
- 国際
- 2022年7月8日
英国のジョンソン首相は7日、辞任を表明した。スキャンダルが続き与党保守党内でも求心力を失っていた。後継者が決まるまでは職にとどまるという。(2022年 ロイター/Henry Nicholls)
[ロンドン 7日 ロイター] – 英国のジョンソン首相は7日、辞任を表明した。不祥事が続く中、与党保守党内でも求心力を失い、50人を超える閣僚が離反した。ただ、後継者が決定するまでは職にとどまると言明した。 ジョンソン首相は官邸前で会見し、「新しいリーダーが決まるまでの内閣を任命した」としつつも、辞任表明に至った事態についての謝罪はなく、退任を迫られたことについても「とっぴな行動」と述べた。 その上で「(自身の辞任表明を受け)安堵している人が多いだろうことは承知している。一方で、がっかりした人も多いかもしれない」とし、「世界最高の仕事を諦めることがどれだけ悲しいか理解してほしい」と語った。
<保守党は新党首選出へ>
与党保守党はジョンソン氏の後任となる新党首を選出する必要があるが、数週間から数カ月を要する可能性がある。詳細は来週発表される見通し。英紙フィナンシャル・タイムズ(FT)は議員の話として、保守党は9月初旬に新党首を選出すると報じた。 調査会社ユーガブの世論調査によると、後任候補としてウォレス国防相のほか、5日辞任したスナク前財務相らが有力視されている。 ジョンソン首相は後任者が決まるまで首相ポストにとどまることを主張しているものの、野党だけでなく、保守党内からもジョンソン氏は即刻退陣し、ラーブ副首相に引き継ぐべきという声が上がっている。 首相府によると、ジョンソン氏は7日の閣議で、新しい政策の実施や大きな方向転換を行わず、主要な財政決定は次期政権に委ねると確約。ただ、最大野党・労働党のスターマー党首が、保守党がジョンソン氏を直ちに退任させなければ議会で信任投票の実施を呼びかけると述べたほか、保守党のジョン・メージャー元首相も、ジョンソン氏が首相の座にとどまるのは「賢明でなく、持続不能」との見方を示した。 英紙デイリー・メールによると、政府の重鎮マイケル・ゴーブ氏は、保守党の党首選に出馬しない計画。レベリングアップ・住宅・コミュニティー担当相を務めていたゴーブ氏は6日、ジョンソン首相に解任されたと報じられている。 ジョンソン氏の側近によると、ジョンソン氏は首相退任後も国会議員として活動を続ける意向を示している。
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