選挙モードはや熱気 参院選日程確定で論戦スタート
- 政治・経済
- 2022年6月16日
通常国会が15日閉会し、参院選の日程(22日公示、7月10日投開票)が確定したことを受け、事実上の選挙戦がスタートした。立候補予定の改選議員らは地元に戻って支持者回りに奔走、新人も街頭に立ってアピールするなど早くも熱気を帯びている。
京都
京都選挙区(改選数2)は自民の新旧交代を機に、党勢拡大を目指す日本維新が新人を擁立。立憲民主現職のほか、共産新人ら9人が立候補する見通しだ。
これまでは自民が安定して1議席をとり、残る1議席を地盤の厚い立民と共産が争ってきたが、維新の参戦で対決の構図が大きく変化。国民民主が維新の推薦を決めたことで、旧民主党系の立民と決別し、全国屈指の激戦区に躍り出た。
引退するベテランの後継となった自民新人は岸田文雄首相、安倍晋三元首相が応援に入り、強力に後押し。15日はあいさつ回りで地盤固めに注力した。
5期目を目指す立民現職は16日に地元入りする予定で、陣営は「唯一の現職候補。新人ばかりと油断せず臨む」と気を引き締めた。
維新新人は出馬表明が4月中旬と遅れたため、知名度向上が課題だが、松井一郎代表らが京都入りして浸透を図っている。共産の新人は15日に会見し自民、維新、国民が掲げる防衛費拡大を批判した。
大阪
大阪選挙区(改選数4)は、維新が2人、自民と公明が1人ずつ現職を擁立する予定のほか、立民や国民、共産などもそれぞれ候補者を立て、混戦模様となっている。
15日夕、帰阪したばかりの維新現職2人は、大阪市内で開かれた会合にそろって出席。「次の世代につけを残さない政治をやらせていただきたい」などと呼び掛けた。公明現職もJR大阪駅前で街頭演説を行い、「経済活動を復活させ、新型コロナウイルスとの闘いに終止符を打ちたい」と訴えた。
これに対し、立民新人はこの日朝から箕面市内で街頭演説。陣営は「知名度は浸透しているとは言い難い。これからがラストスパート」と気を引き締める。また、共産元職は門真市内の街頭演説で、円安を背景にした物価高をめぐる岸田首相の対応を「国民の生活を破壊している」と訴え、与党との対決姿勢を鮮明にした。
兵庫
兵庫選挙区(改選数3)では、前回選挙で6人が立候補したが、倍増となる見通し。15日現在、過去最多の現新13人が立候補の準備を進めており、自民、公明、維新の現職に立民、共産などの新人が挑む。
昨年の衆院選で県内最多の比例票を獲得するなど勢力を拡大する維新や現職閣僚が臨む自民と比べ、議席死守にひと際危機感を抱いているのが公明だ。陣営幹部は「各種調査でも伸び悩んでおり、相手の背中が遠のいている」と語り、「自民との連携や無党派層の票の掘り起こしが勝敗を決める」と指摘した。公明現職は15日、国会閉会後、さっそく神戸市内に戻り、臨戦態勢に入った。
一方、6年前の参院選で現職の民進党(当時)候補が敗れて以来、議席の奪還を目指す旧民主系は、立民新人が連日各地で街頭演説を展開した。
奈良
奈良選挙区(改選数1)は、自民現職に立民、維新、共産の新人らが挑む構図が予想され、6人の激戦となる見込み。
維新は昨年、奈良県内の衆院選比例票で自民に次ぎ、18万超の票を獲得。陣営幹部は「自民との一騎打ち」と位置づけ、自民支持層が強固な県中南部を中心に支持拡大を狙う。維新新人は15日、同県大和郡山市で街頭演説を行った後、街宣車で同市内を回り、知名度アップを図った。
一方、再選を狙う自民現職は閉会後、公務をこなした後に新幹線で奈良入り。これまでは週末中心だったが、16日以降は連日県内での街頭演説を予定し、支援者回りなど地盤固めにも奔走する。他に立民新人や共産新人も駅前などで街頭演説を行い、政策をアピールした。
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