チリ大統領に左派ボリッチ氏就任=TPP批准に遅れも
- 国際
- 2022年3月12日
【サンパウロ時事】南米チリで11日、学生運動出身で下院議員だった左派のガブリエル・ボリッチ氏(36)が大統領に就任した。同氏は昨年12月の大統領選決選投票で右派候補を破って初当選。チリ史上最年少の元首となった。
ボリッチ氏は中部バルパライソにある議会の議場にノーネクタイ姿で登壇。「すべての国民を前に、(憲法と法を尊重して職務に励むことを)誓う」と宣言した。
さらに首都サンティアゴの大統領府で「チリの男性、女性が生み出した財を再分配しなければならない」と格差是正への意欲を強調。「気候や移民、グローバル経済、エネルギー危機、女性への恒常的な暴力、(意見の)不一致といった試練があるが、国民一体となって協議し、他国首脳とも話し合わなければならない」と訴えた。
ボリッチ氏は、最重要課題として「新型コロナウイルス対策、経済回復、環境保護」などを挙げている。既にチリが署名して批准を待つ環太平洋連携協定(TPP)については、当初批判的な考えを示していたが、現在は「(批准に向け)議論する用意はある」と軟化。ただ、優先度は低いとみられ、現地外交筋は「上院本会議での承認を待つだけだが、遅れる可能性がある」と指摘している。
コメントする