NYのマンションで火災、子ども9人含む19人死亡 「最悪の火災」
- 国際
- 2022年1月10日
米ニューヨーク市ブロンクス地区の19階建てマンションで9日昼、火災が発生し、子ども9人を含む19人が死亡した。他にも数十人がけがを負った。市消防は同日夜の会見で、「持ち運びができる暖房機器」が火元だったと断定した。
消防によると、火災があったのは同日午前11時ごろ。暖房機器は2~3階にまたがる部屋の寝室に置かれており、そこの住民が廊下に出る際にドアを開けたままにしていたため、すぐに煙が上層階まで到達したという。2時間ほどでほぼ消火されたが、32人が病院に搬送された。
現場には200人ほどの消防士が駆けつけ、10部屋以上の窓が救助のために割られていた。アダムス市長は会見で「現代のニューヨーク市において、最悪の火災の一つになる」と語った。マンションは1973年に連邦政府の支援で建てられ、計120戸。被害者の多くは西アフリカのガンビア出身の移民という。
4階に暮らすジョージ・ロドリゲスさん(74)は、テレビを見ていたところでにおいに気づいたが、ドアを開けられないほど煙が充満していたという。
このマンションには二つの出入り口があるが、出られないと判断して部屋にいると、消防士が窓を割って救助してくれたという。朝日新聞の取材に対し、「本当に怖かった。これほど最悪な日は想像すらできなかった」と語った。
消防によると、建物内には火災報知機があり、この日も作動していた。ただ、別の住人はAP通信の取材に対し、「火災報知機が頻繁に誤作動するので、聞き流していた」と話したという。消防は、この点についても調査中という。(ニューヨーク=藤原学思)
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