三遊亭圓丈さん死去 落語界を変えた〝新作落語のカリスマ〟、掛布氏と共演したCMも話題に
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- 2021年12月6日
300にのぼる作品を生み出し、〝新作落語のカリスマ〟と呼ばれた落語家、三遊亭圓丈(さんゆうてい・えんじょう、本名・大角弘=おおすみ・ひろし)さんが11月30日午後3時5分、心不全のため東京都内の病院で死去した。76歳だった。葬儀・告別式は近親者で行った。喪主は妻、ユリ子(ゆりこ)さん。
最後の高座は昨年12月23日の国立演芸場。今年2月に東京都内で行われた弟子の三遊亭れん生(49)らの真打ち昇進襲名披露会見が最後の公の場だった。この頃、体調が優れなかったという関係者もおり、弟子の晴れ舞台に無理をして出席したようだ。
1964年に六代目三遊亭円生に入門し、78年に真打ちに昇進。新感覚の新作落語は多くの後進に影響を与え、古典が中心だった落語界で新作の地位を引き上げた。代表作は「グリコ少年」「悲しみは埼玉に向けて」など。元プロ野球阪神の掛布雅之氏と共演した「金鳥 蚊とりマット」のCMでは、「か、か、か、か、掛布さん。蚊にきくものは何でしょう」というフレーズが話題になった。2001年に落語協会の役員に就任。14年から理事を務めていた。
故人に影響を受けた「圓丈チルドレン」の一人で落語芸術協会会長の春風亭昇太(61)は「創作落語の象徴的存在であった圓丈師匠の落語史に残る活動の業績を讃え、それに一歩でも近づけるように圓丈チルドレンの一人として努力したいと思っています」と追悼。落語家の桂文枝(78)は「落語はこんなことも出来るんやとテレビの司会と古典落語の狭間で悩んでいた私に大きな刺激と風穴を開けてくださいました」と感謝した。
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