空手五輪代表の植草歩選手、指導者を刑事告訴へ 竹刀で目を打撲
- スポーツ
- 2021年4月1日
空手の東京オリンピック組手女子61キロ超級代表の植草歩選手(28)=JAL=が全日本空手道連盟(全空連)の香川政夫強化委員長からパワーハラスメントを受けたと訴えている問題で、植草選手が傷害容疑での刑事告訴を検討している。関係者が31日、明らかにした。植草選手は1月の練習中に竹刀で顔面を突かれて左目を打撲し、医師から「左眼球打撲傷」の診断を受けており、既に警視庁に相談している。
全空連は31日、東京都内で倫理委員会を開催して両者から事情を聴き、香川氏が1月27日の帝京大での練習で竹刀を用い、植草選手が目を負傷したことを認定した。全空連は「竹刀を用いた練習は大変危険であり、どの練習においても全く認められるものではありません。皆様には多大なるご迷惑、ご心配をおかけしており、深くおわび申し上げます」とコメントした。 植草選手や全空連関係者によると、昨年12月20日ごろから、香川氏が練習の最後に突きや蹴りに見立てて竹刀を突いたり、振り回したりする練習が行われるようになった。選手が竹刀をかわしながら突きや蹴りで反撃することで反射神経を鍛える狙いで、防具などはつけていなかったという。診断した医師が竹刀の先端に軟らかいものをつけるなど練習方法を改めるよう全空連側に指導したにもかかわらず改善されなかった。危険な練習は2月末ごろまで約1カ月続き、まぶたを切るなど負傷した選手は複数いるという。 全空連は倫理委員会で香川氏の処分内容を検討し、4月中に臨時理事会を開いて決定する。香川氏は3月中旬から強化委員長の職務を一時停止している。これまで竹刀でけがをさせた事実を否定していた香川氏は倫理委員会の聴取後、「すべて倫理委員会で申し上げました」とだけ答えた。 植草選手は帝京大出身で香川氏とは師弟関係にある。女子68キロ超級で2016年世界選手権を制覇し、18年世界選手権でも準優勝。東京五輪のメダル候補に挙がっている。
毎日新聞より転用
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