【フェブラリーS 競馬のミカタ】ダート界にもジャパンドリームを
- スポーツ
- 2021年2月22日
◆第38回フェブラリーS・G1(2月21日、東京競馬場・ダート1600メートル、良)
米3冠馬アメリカンファラオ産駒のカフェファラオが、混戦に断を下した。明け4歳馬の勝利は、17年のゴールドドリーム以来4年ぶりでニューヒーロー誕生と言ってもいいだろう。
前夜に行われたサウジカップデーでは、日本勢がサウジダービーを制し、リヤドダートスプリントでワンツーを果たした。芝路線よりも改革が遅れていたダート路線だったが、昨年のサウジC覇者マキシマムセキュリティを送り出したニューイヤーズデイなどの大物種牡馬を導入したように、近年はダート路線でも世界に通用する馬の輩出を目指しつつ戦略を練ってきた関係者の思いが伝わってくる。
ただ、今年は王者クリソベリルが故障とはいえ、チュウワウィザードがサウジに遠征し、オメガパフュームも距離不向きで出走しなかった。前夜のサウジCは1着賞金が破格の約10億円。お金だけではないが、賞金が10分の1になる国内G1より、夢を追って世界に挑戦するのは当然の成り行きか。
同時期の開催だけに、今後も有力馬不在の傾向は変わらないだろう。ならば、10億とは言わずとも賞金アップか、距離を変更するか、はたまた時期をずらすことで、もっと魅力のあるレースに設定する必要があるのではないか。3強不在のレースを見つめながら、ダート界にもジャパンドリームを、と願わずにはいられない。(松末 守司)
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