照ノ富士、史上最大の復活V…元大関が序二段落ち乗り越え1897日ぶり賜杯
- スポーツ
- 2020年8月3日
◆大相撲七月場所千秋楽 ○照ノ富士(寄り切り)御嶽海●(2日、両国国技館)
約2年半ぶりに幕内に復帰した元大関の東前頭17枚目・照ノ富士(28)=伊勢ケ浜=が、史上最大のカムバック優勝を果たした。2敗で単独トップに立っていた照ノ富士は、3敗の関脇・御嶽海(27)=出羽海=を寄り切りで破り13勝目。けがによる序二段落ちを乗り越え、関脇時代の2015年夏場所以来30場所ぶり2度目の賜杯を手にした。
30場所ぶりの賜杯は、元関脇・琴錦の持つ43場所(91年秋、98年九州場所)に次ぐ、史上2位のブランク優勝。大関経験者の関脇以下での優勝は、76年秋場所の魁傑(当時・西前頭4枚目)以来で昭和以降2人目。再入幕、幕尻優勝はともに今年初場所の徳勝龍以来となった。
照ノ富士は192センチ、180キロの巨体と重い腰で、相手を強引に引っ張り込むような相撲も武器に、2015年夏場所で初優勝して翌名古屋場所で大関に昇進した。大関を14場所務め、横綱候補と期待されたが両膝のけがや内臓疾患などに苦しみ、17年の九州場所で陥落。その後は大関経験者として初めて幕下以下まで転落し、一時は序二段をまで番付を下げた。
「5回くらい親方(伊勢ケ浜親方)に辞めさせてくださいと伝えた」と気持ちが切れそうなこともあったが、周囲の励ましを力に現役を続行。体調が戻るとともに番付も戻して今場所、2018年初場所以来の幕内復帰を果たした。場所前に「いい相撲を見せて頑張りたい」と意気込んでいた元大関。コロナ禍により観客の上限2500人という異例の場所を、感動の復活Vで締めた。
◆照ノ富士 春雄(てるのふじ・はるお)
▼本名 ガントルガ・ガンエルデネ。あだ名は「ガナ」。
▼生まれとサイズ 1991年11月29日、モンゴル・ウランバートル市生まれ。192センチ、180キロ。
▼しこ名 入門直後は当時の師匠・間垣親方(第56代横綱・2代目若乃花)が大関まで使っていた「若三杉」から取った「若三勝」。伊勢ケ浜部屋転籍後に部屋の大先輩、第38代横綱・照国と、師匠・伊勢ケ浜親方の第63代横綱・旭富士からもらった。
▼スポーツ歴 白鵬の父・ムンフバトさんの紹介で16歳から柔道を始め、18歳で逸ノ城らと共に鳥取城北高に相撲留学。
▼入門 11年に外国人が空いていた間垣部屋に入門し、5月の技量審査場所。
▼好物 焼き肉。カレーライスが嫌い。
一言コメント
辛抱した甲斐があったね。
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