内定取り消し、相次ぐ悲鳴 救済に乗り出す企業も 新型コロナ
- 企業・経済
- 2020年3月17日
新型コロナウイルスの感染拡大で、業績悪化を懸念した企業から内定を取り消されるケースが相次いでいる。
新生活のめどが立たず、就職活動中の学生らから悲鳴が上がり、政府も実態把握に動きだした。
「コロナの影響で仕事がなく、新卒を雇う余裕はない」。ウエディング会社に就職が決まっていた岐阜県の女子短大生(20)は9日、採用担当者から電話で突然、内定取り消しを告げられた。「就活に費やした分のお金や人の人生を何だと思っているのか」と憤る。
宮城県の男性(28)は、携帯電話の販売代理店への転職が決まった数日後、「感染被害削減」を理由に採用を撤回された。業績悪化による採用中止の口実に「感染」が持ち出されたのではないかとの疑念を抱く。
雇用条件の変更を余儀なくされた人もいる。群馬県の米国人男性(44)は、英会話学校講師としてフルタイムの雇用が決まっていたが、派遣先幼稚園の臨時休園などを理由にパート勤務を提示された。妻と子ども2人を抱え、経済的な打撃は大きく、辞める予定だった別のパートと掛け持ちせざるを得ないという。
内定取り消しの動きには政府も懸念を強める。衛藤晟一1億総活躍担当相は13日、「詳細の把握をできるだけ早く行いたい」と述べ、実態把握を急ぐ考えを示した。
一方、こうした状況をチャンスとみる企業もある。子育て層向けアプリの企画開発会社「カラダノート」(東京都港区)は12日、内定を取り消された学生を対象に採用選考を始めた。「ピンチを乗り越え、就職活動に取り組む人は行動力がある」(彦坂真依子広報室長)と評価し、優秀な人材獲得の機会ととらえる。
労働問題に詳しい君和田伸仁弁護士は「業績悪化による内定取り消しは認められない。休職扱いにし休業手当を受けられるよう政府が支援すべきだ」と訴えた。
一言コメント
取り消すような会社は、倒産リスクも高いということだ。
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