福岡県、災害時備蓄マスク「ない」 医療機関に提供できず
- 政治・経済
- 2020年3月15日
福岡県の小川洋知事は13日の記者会見で、新型コロナウイルスの感染対策をめぐり、民間の医療機関などに提供できるマスクを県として備蓄していないことを明らかにした。感染拡大でマスク不足が深刻な中、他県では備蓄マスクを医療機関や福祉施設に提供する取り組みもみられるが、福岡県の感染症に対する危機管理体制の脆弱(ぜいじゃく)さが露呈した。
小川氏は記者会見で、感染症を含む災害時用の備蓄マスクは「ない」と述べ、「県が持っているマスクを(医療機関などに)配ることはできない状態だ」と説明した。
県によると、県保有のマスクは医療用が約3万3千枚、一般用が約4500枚。ただ、これらは県職員向けで、主に保健所や食肉衛生検査所の職員が使用。災害時は百貨店やスーパーなどと締結している物資供給に関する災害協定に基づきマスクを調達することにしており、平時から備蓄はしていないという。
県内でも医療機関を中心にマスク不足は深刻だ。県が国からの依頼を受け、今月7、8両日に県内19の民間医療機関を調査したところ、マスクの備蓄は計約11万枚で直近1週間に使用したマスクは計約6万5千枚だった。2週間足らずで在庫がなくなる計算だ。
政府は医療用マスク1500万枚を一括購入し、全国の感染症指定医療機関などに配布する方針を示している。隣の佐賀県は備蓄マスク約9万枚のうち4、5万枚を医療機関などに提供する方針を決めるなど、主体的にマスク不足解消に乗り出す自治体もある一方、備蓄がない福岡県は国からの供給を待つしかないのが現状だ。
13日の県議会総務企画地域振興委員会では委員から「福岡県としていくつ必要なのか把握して、国に対してしっかり要望すべきだ」との声が上がった。
一言コメント
生産状況も気になるところだ。
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