「アウトブレイクが心配」福岡の病院も危機感 新型肺炎“指定感染症”に 県内12医療機関で受け入れ態勢
- 政治・経済
- 2020年1月29日
感染が広がる新型コロナウイルスによる肺炎。
中国本土での死者は100人を超えています。
政府は28日、指定感染症にすることを閣議決定し福岡の医療機関も危機感を持って対応にあたっています。
【菅官房長官】
「今般の新型コロナウイルスに関連した感染症を、感染症法の指定感染症に指定しました」
感染力を高め猛威を振るう新型ウイルス。
政府は今朝の閣議で中国で発生した新型コロナウイルスによる肺炎を、感染症法に基づく「指定感染症」にすることを決定しました。
ウイルス感染による肺炎患者は増加の一途をたどっていて、発生源の中国ではこれまでに106人が死亡。
感染者は中国をはじめ、カナダやスリランカでも新たに確認され、17の国と地域で4500人を超えています。
今回の新型肺炎が指定感染症となったことで、今後、感染者が確認された場合には、都道府県知事が指定医療機関への入院の勧告や強制入院の指示ができるようになります。
福岡県内では、古賀市の福岡東医療センターなど、12の医療機関が感染者の受け入れ先に指定されています。
【記者】
「こちらでは、新型肺炎の疑いがある人も含めて、患者さんは結核感染症病棟、別の病棟に入院します。」
この施設はエボラ出血熱など極めて感染力が強い1類感染症をはじめ、SARSやMERSといった2類感染症にも対応できる設備が整っています。
【福岡東医療センター 肥山和俊 感染症内科医長】
「こちらが、2種感染症病棟といわれる病棟です」
【記者】
「2枚扉になっていて、厳重な感じがしますね」
【福岡東医療センター 肥山和俊 感染症内科医長】
「気圧の管理がものすごく大事で、例えば同時に部屋の扉が開いてしまうと、中の空気が漏れてしまうので厳重にしています」
今回の新型肺炎はこの2類感染症に相当するのではないかと見られていて、実際に使われるのがこちらの病室です。
出入口が二重扉になっているほか、施設内を通ることなく患者を直接搬入できるよう外と直結した扉も設置されています。
さらに、患者から医療スタッフへの空気感染や粘膜感染を防ぐ防護服も完備されています。
【福岡東医療センター 肥山和俊 感染症内科医長】
「行政側との訓練もしているし、着脱訓練も定期的に行っているので、それで今回も対応できるのではと考えています」
指定医療機関での備えが進む一方で、医師からは、日に日に感染力が強まる新型ウイルスへの懸念も聞かれました。
【福岡東医療センター 肥山和俊 感染症内科医長】
「福岡地区や博多地区は中国の観光客が多いので、今後アウトブレイク(集団発生)が起こらないか大変心配しております」
日を追うごとに感染が広がり終息の気配が見えない新型肺炎。
27日に団体旅行が禁じられるまで、福岡県内には多くの中国人観光客が訪れていただけに、自治体や医療関係者は危機感を強めています。
一言コメント
一般人も警戒したほうが良さそうだ。
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