迷走の末、身売り 大塚家具、再建なお不透明
- 企業・経済
- 2019年12月13日
大塚家具が、家電量販店最大手のヤマダ電機傘下で経営再建を目指すことになった。大塚家具をめぐっては、創業者とその長女で現社長の大塚久美子氏が経営方針で対立した「お家騒動」をきっかけに業績が悪化。中国企業や投資ファンドの支援を得ても立て直すことができず、迷走の末、身売りに追い込まれた。ただ、本業の家具販売の不振が続いており、先行きはなお不透明だ。
大塚社長は12日の記者会見で社長続投を表明した上で「抜本的な構造改革で黒字まであと一歩」と自信を示した。高級路線は維持する方針。ヤマダの山田昇会長も「粗利益が高いので、てこ入れすればすぐ回復する」と述べ、2021年4月期の黒字転換は可能とみる。
大塚家具では店舗運営などをめぐり、2015年に父娘の対立が先鋭化。イメージダウンを招いて売り上げが急減した。父娘をよく知る経営者は「親子げんかした店で家具を買いたいと思う人はいない」と苦言を呈す。
大塚家具は赤字圧縮のため、昨年5月に創業地の埼玉県春日部市、今年5月には仙台市で店舗を閉鎖するなど、販売拠点の縮小を進めてきた。在庫一掃セールも実施し、一時販売が上向いたものの、本格的な回復には至らなかった。
ヤマダによる買収で、大塚家具は巻き返しを狙う。しかし、少子高齢化に伴う国内市場の縮小など事業環境は厳しく、再建へ予断を許さない状況が続きそうだ。
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これが最後のチャンス!?
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