1500人に慰謝料280億円 元徴用工問題の韓国議長案
- 国際
- 2019年11月27日
【ソウル時事】韓国の聯合ニュースは26日、元徴用工問題の解決を図るため、文喜相・国会議長がまとめた法案の詳細を伝えた。
日韓両国の政府や両国企業が創設する基金を通じ、元徴用工ら1500人に慰謝料などとして計約3000億ウォン(約277億円)を支給する内容という。日本企業は基金に「自発的に寄付」する仕組みだ。
文議長の関係者が同日、元徴用工らが参加した懇談会で提示した。文議長は今後、関係者らの意見を聴取した上で法案に反映する考えで、内容が変更される可能性もある。年内にも発議する方針とされるが、早期の立法化は厳しいとの見方もあり、来年に持ち越されそうだ。
法案では、既に運用されている元徴用工の支援財団を「記憶人権財団」に改組し、日韓企業や両国民の自発的な寄付による基金を創設。元徴用工や遺族に慰謝料や慰労金を支給する事業などを行う。日本政府が財団運営にどのように関与するかは不明だ。
訴訟進行中の原告と訴訟予定の元徴用工ら計約1500人が支給対象とされる。慰安婦問題をめぐる2015年末の日韓合意に基づき、日本政府が出資した「和解・癒やし財団」の残金約60億ウォンも基金に組み入れ、元慰安婦支援も手掛けるという。
元徴用工問題をめぐっては、韓国最高裁が18年10月、日本企業に賠償を命じる判決を下した。請求権問題は1965年の日韓請求権協定で「最終的に解決された」とする日本政府は、韓国側で問題解決を図るべきだとの立場だ。文議長の法案に日本側がどこまで理解を示すかは不透明である上、日本政府の謝罪を求める原告側の反発も予想される。
文議長は今月5日、東京の早稲田大で講演し、法案をまとめたと表明していたが、具体的内容は分かっていなかった。
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