「勇気与えた」「頑張りたい」 核廃絶演説に被爆者や若者 ローマ教皇訪問
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- 2019年11月25日
フランシスコ・ローマ教皇が24日、被爆地長崎と広島両市で核兵器廃絶や平和を求めて演説し、原爆犠牲者のために静かに祈った。
「勇気を与えてくれた」「思い出して頑張りたい」。被爆者や平和運動を続ける若者からは、教皇の言葉や姿に感銘を受ける声が目立った。
長崎原爆被災者協議会の田中重光会長(79)は、「爆心地で長い祈りをささげたことに感動した」と話し、「教皇は長崎を最後の被爆地にするための決意を私たちに求めた」と強調した。
長崎市の原爆落下中心地の前で教皇に花輪を渡した被爆者の下平作江さん(84)は、「(爆心地を訪れたことで)教皇は世界から核兵器を廃絶しないといけないと実感してくれたと思う」と語った。
国内外で核兵器廃絶を訴える高校生平和大使の内山洸士郎さん(16)=鎮西学院高校2年=は「これから活動する中で苦しいこともあるだろうが、教皇の言葉を思い出して頑張りたい」と意気込んだ。
広島市の平和記念公園で開かれた「平和のための集い」では、被爆者が教皇の前で自身の体験を証言した。体験を語った梶本淑子さん(88)は「穏やかで優しい方だと思った。来てくださったことは(広島にとって)大きな足跡になる」と強調。「お力をいただいて、少しでも核廃絶に向かえば」と語気を強めた。
今年6月にバチカンを訪れ、被爆地訪問を訴えた高校生平和大使の松田小春さん(17)=広島大付属高校2年=は、集いで教皇からロザリオをもらったといい、「次の世代として記憶が風化しないよう、後世に伝えていく」と話した。
2017年のノーベル平和賞授賞式で演説した被爆者のサーロー節子さん(87)も広島の集いに参加。「運動に関わっている全ての人に勇気と方向性を与えてくださった。非常に感激している」と喜んだ。
カトリック信徒が多い長崎市では雨の中、沿道に多くの人が集まり、「ビバ。パパさま」と歓迎。ミサ会場となった長崎県営野球場には約3万人の信徒らが集い、特注のオープンカーで会場を1周する教皇に歓声を上げた。
一言コメント
広島・長崎訪問も実現してよかった。
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