イラン核開発「第4段階」へ…ウラン濃縮の再開発表
- 国際
- 2019年11月6日
【テヘラン=水野翔太】イランのロハニ大統領は5日、経済制裁を再開したトランプ米政権への対抗措置として、6日から中部フォルドゥの地下施設でウラン濃縮を再開すると発表した。これにより、イランの主要濃縮施設2か所が稼働し、核兵器級の濃縮ウラン獲得までの時間が短縮することになる。米欧の反発は必至だ。
イランは今年5月から核開発のレベルを段階的に引き上げており、今回の措置は「第4段階」となる。ロハニ師は5日、国営テレビを通じて演説し、「米欧が核合意を履行せずに、我々だけが履行する。それは受け入れられない」と述べた。
ロハニ師によると、フォルドゥの地下施設に設置されている遠心分離器1044基にウラン濃縮に使うガスの注入を始める。遠心分離器は、実験用に残された旧型とみられる。濃縮度については明らかにしなかった。
フォルドゥの濃縮施設は地下深くにあり、外部からの攻撃を受けにくいことで知られる。ロハニ師は「彼ら(米欧など)がフォルドゥに敏感であることは分かっている」と述べた。
イランは主にフォルドゥと中部ナタンツで濃縮ウランを生産していたが、核合意により、フォルドゥへのウランの持ち込みは禁止された。イランはこの施設を技術センターに転換し、濃縮作業を停止していた。ナタンツでは核合意後も濃縮度3・67%以下の低濃縮ウランを生産していたが、今年7月の「第2段階」で濃縮度を4・5%程度まで引き上げている。
一言コメント
欧米との関係も、さらに悪化しそうだ。
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