ウクライナ疑惑、米政権直撃=告発文書、圧力と隠蔽浮き彫り
- 国際
- 2019年9月28日
【ワシントン時事】トランプ米大統領が民主党のバイデン前副大統領に関する調査を求め、ウクライナのゼレンスキー大統領に電話で圧力をかけたとされる問題で、疑惑発覚の発端となった当局者の内部告発文書が26日公表された。
側近らを使って組織的に圧力をかけようとした実態を浮かび上がらせたほか、通話記録の隠蔽(いんぺい)を図った疑いも浮上。政権を揺るがす疑惑に発展する可能性が高まってきた。
下院情報特別委員会が公表した告発文書で、これまで全く表に出ていなかったのが7月25日の電話会談直後の政権内の動きだ。
「私に情報をもたらしたホワイトハウス高官たちは電話会談の内容にひどく動揺した」
告発文書はそう記し、会談記録がホワイトハウスの弁護士の指示で、機密情報を扱う別のコンピューターシステムへ移されたことを明かした。通常、機密を含まない首脳の会話がこのシステムで扱われることはなく、記録保存に関する法律に違反する疑いもある。
さらに告発文書では、トランプ氏の「圧力」を裏付けるような政権の動きも明らかになった。
電話会談の翌日、米国のウクライナ担当特別代表が同国を訪問。ゼレンスキー氏に対し、トランプ氏の要求にどう対応するかを指南した。8月2日には、トランプ氏の弁護士ジュリアーニ氏がスペインでゼレンスキー氏の側近と会い、電話会談の内容を「フォローアップ」するための議論を交わした。
トランプ氏はその一週間後の8月9日、「彼(ゼレンスキー氏)は合理的な男だ。会うのを楽しみにしている」と記者団に述べ、近くホワイトハウスに招きたいという意向を示している。この時点でウクライナに対する軍事支援の留保を決めており、バイデン氏に関する調査が支援実施の交換条件だった疑いが持たれている。
内部告発の公表を受け、トランプ氏は26日、「誰が告発者なのか知りたい。まるでスパイだ」と怒りをあらわにした。一方、民主党のペロシ下院議長は、ウクライナ疑惑をめぐる政権の動きを「異なるレベルの無法状態」と非難し、この疑惑に絞って弾劾調査を進める考えを示した。
トランプ氏もヤバくなってきた!?
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