G7 合意内容を1枚の宣言文書に マクロン氏、土壇場で作成にこだわる
- 国際
- 2019年8月27日
フランス南西部ビアリッツで開催中の主要7カ国首脳会議(G7サミット)は26日、気候変動やデジタル経済に関する討議を行い、閉幕した。閉幕後、議長国のマクロン大統領は2020年の議長であるトランプ米大統領と共同記者会見し、サミットの合意内容を1枚の宣言文書にまとめたと表明した。
宣言文書にはイランやシリア、通商問題などについての見解を盛り込んだ。米国と欧州の意見の隔たりで、今回のG7サミットは1975年の開始以来初めて首脳宣言を見送る見通しとなっていたが、マクロン氏が土壇場で宣言作成にこだわり、最小限の内容の文書で結束を演出した。マクロン氏は「生産的なよい議論ができた」と述べた。
会議では、足元の世界経済について、貿易を巡る世界的な緊張の高まりや英国の欧州連合(EU)離脱などを念頭に、経済の下振れリスクが増大しているとの認識を共有。G7各国が金融、財政、構造改革を通じて「機動的かつ万全の政策対応で協調していく」姿勢を打ち出した。世界貿易機関(WTO)の改革や、デジタル化進展に合わせた国際課税見直しを急ぐ方針も共有した。
一方、焦点の一つである気候変動では、20年に始まる「パリ協定」からの離脱を表明したトランプ氏と、対策強化を訴える欧州首脳との間の溝は埋まらなかった模様だ。
外交・安全保障分野では、イランの核保有を認めないことで一致した。ウクライナ南部クリミア半島併合を機に14年にサミットから除外されたロシアを巡っては、トランプ氏が復帰を提起したが、独仏を中心に「時期尚早」とされ、結論を持ち越した。
また、米仏首脳は記者会見で、両国が対立していた国際法人課税を巡る問題について合意に至ったことを明らかにした。米国は大手IT企業を対象とするフランスの「デジタル課税」に反発し、仏産ワインなどに報復関税を課す構えを見せていたが、これを撤回。フランスは経済協力開発機構(OECD)などが進めている国際ルールができた段階で課税を撤廃し、国際ルールを上回って徴収した場合にはその差額分を企業に還付するという。
トランプ氏は26日、20年のG7サミットを南部フロリダ州の自身の高級ゴルフリゾート「トランプ・ナショナル・ドラル・マイアミ」で開催すると明らかにした。
一言コメント
マクロンさんの気持ちもわからないでもないけどね。
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