北九州「猫の島」謎の猫急減 5年で3分の1 毒殺?刑事告発検討
- 事件・事故
- 2019年8月1日
多くの猫を地域ぐるみで管理し「猫の島」としてひそかな観光スポットにもなっている北九州市小倉北区の離島・馬島(うましま)で、個体数が5年前に確認された約90匹から、30匹程度まで急減していることが判明した。不審な餌が散布され、不自然に苦しむ猫の目撃情報があるため、管理に関わってきた保護団体などは虐待の可能性があるとして、刑事告発や緊急保護を検討している。
馬島は小倉港から約10キロの響灘(ひびきなだ)に浮かぶ周囲5・4キロの島で、14世帯約30人が暮らす。元々猫が多かったが近年は住民の倍以上に増え、ふん尿の臭いや踏み荒らしなど畑の被害もあったことから、福岡市の市民団体「大切な猫たちプロジェクト」(竹下雅美共同代表)が不妊手術を提案。2014年に公益財団法人「どうぶつ基金」(兵庫県)に依頼し、島で確認された約90匹のうち、高齢猫などを除く79匹を手術した。その後は島外から餌の支援を受けるなどして島ぐるみで地域猫を守り、隠れた名所として観光客が訪れるようになった。
しかしここ数年、元気だった猫が島民の目の前で泡を吹いて倒れたり、若い個体の死骸が沖合で見つかったりする事態が起きるようになった。17年9月には港近くの集会所の半径30メートルほどの範囲で、死んでいたり瀕死(ひんし)状態だったりしている5匹が一度に見つかり、結局5匹とも死んだ。昨年10月と今年5月には青い薬品のようなものが付着した魚の切り身が畑や漁協事務所前など島内の数カ所に置かれていた。
島民から5月に相談を受けた竹下さんが動物虐待防止に取り組む特定NPO法人「SCAT」(福岡市)と調査を始めたが、30匹ほどしか確認できないという。全国で10万件近い不妊手術に取り組んできた「どうぶつ基金」の佐上邦久理事長は「異常な減少で、虐待など外的・人為的要因があるのは間違いない」と指摘する。
現在では、餌やりの時間などに港に折り重なるように集まってきた光景が影を潜め、頻繁に訪れる観光客が島民に「異様に減っていませんか」と尋ねることもあるという。ある島民は「腹立たしいし悲しい。誰かが虐待しているのなら絶対にやめてほしい」と話す。
竹下さんは不審な餌を証拠として動物愛護法違反などでの刑事告発を検討する一方、全ての猫の島外避難も考えており、「地域にかわいがられてきた小さな命を何とか守りたい」と話している。
一言コメント
誰の仕業かハッキリさせてもらいたい。
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