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【参院選】あす投開票 福岡・自民、地盤固めを着々 立民、公明が激しい2位争い 1人区・大分は与野党接戦


 参院選は21日に投開票が迫り、各候補の訴えに熱が入る。九州・山口では、ほとんどの選挙区で自民党候補が優位に選挙戦を進めており、改選1人区で統一候補を立てた野党側は苦戦している。産経新聞など報道各社の調査や取材をもとに、終盤の情勢を探った。

■福岡選挙区

エリア唯一の複数区である福岡選挙区(改選3)は、4選を目指す自民現職の松山政司氏が独走状態に入った。立憲民主党現職の野田国義氏、公明党新人の下野六太氏が激しい2番手争いを繰り広げる。上位3人を共産党新人の河野祥子氏、国民民主党新人の春田久美子氏が懸命に追う。

前1億総活躍担当相の松山氏は、「しっかりと政治を安定させてほしい」と、与党による議席確保を呼びかける。地元選出の国会議員や地方議員と、推薦を受ける農政連など組織・団体を動員して、地盤固めを着々と進める。

野田氏は立民支持層を手堅くまとめた。連合福岡傘下の組合票も取り込む。個人演説会などでは「安倍政権は隠蔽や捏造(ねつぞう)が続いている」などと訴え、政権批判票の掘り起こしを図る。下野氏は、中学教諭の経歴を前面に「子供の力を信じて達成感を引き出す」などと教育政策に力を入れる。連日、党幹部のほか安倍晋三首相ら自民幹部の応援も受け、追い込みをかける。

河野氏は「今の年金では安心して暮らしていくことはできない」と、年金の制度改革を叫ぶが、広がりを欠く。志位和夫委員長ら党幹部もてこ入れに来援し、比例候補と連動し、票の積み増しを狙う。

春田氏は「生活者のリアルな声を国政に届ける」と、裁判官や弁護士の経験を強調する。立候補表明が遅れたことによる知名度不足で伸び悩む。

■1人区では

改選1人区のうち、最も激しい選挙戦が展開されているのが大分だ。3期目を目指す自民現職の礒崎陽輔氏がやや先行しているが、無所属新人の安達澄氏が猛追している。

礒崎氏は保守層が強いとされる県南部や西部を重点的に回り、自民と公明の支持層をまとめる。安倍首相や菅義偉官房長官ら党幹部も相次いで来援した。安達氏は、立民、社民など野党支持層に浸透する。立民の枝野幸男、国民の玉木雄一郎両代表も応援に駆けつけた。出身の別府市周辺で支持拡大をもくろむ。

無党派層の取り込みや、大票田の大分市の動向が勝敗を決しそうだ。

佐賀は、自民現職の山下雄平氏がリードを保つ。東京一極集中の是正を訴え、自民、公明の支持層に加え無党派層も取り込んでいる。国民元職の犬塚直史氏は出遅れが響き、無党派層に浸透し切れていない。

長崎は、自民現職の古賀友一郎氏が、安定した組織戦を展開する。自民県議団の分裂の影響が懸念されたが、すでに自民支持層を固めた。国民新人の白川鮎美氏は、立民、国民の支持層をまとめ、懸命に追うが、伸び悩んでいる。

熊本は、自民現職の馬場成志氏が勢いを維持し、無所属新人の阿部広美氏らを大きく引き離す。馬場氏は自民支持層を固め、県内全域で安定した支持を得る。阿部氏は野党支持層には浸透しているが、無党派層への広がりが課題だ。

宮崎は、自民現職の長峯誠氏が、立民新人の園生裕造氏らを大きくリードする。長峯氏は団体からの支援を取り付け、組織戦を展開する。園生氏は全県をくまなく回るが、差を詰め切れていない。

鹿児島は、6期目を目指す自民現職の尾辻秀久氏が新人2人の攻勢をかわし、優位を維持する。野党統一候補の無所属新人、合原千尋氏は、国民、立民の支持層に加え、無党派層で上積みを目指す。無所属新人の前田終止氏は保守層の切り崩しが思うように進んでいない。

山口は、5選を目指す自民現職の林芳正氏が、県内全19市町の首長が自民党員という厚い保守地盤を支えに、盤石の戦いを展開する。国民新人の大内一也氏は、地上配備型迎撃システム「イージス・アショア」配備反対を訴え、候補地を含む地域で、支持を少しずつ広げている。

産経新聞

 

 

一言コメント
いよいよ明日が投開票だ。


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