未成年の自殺死亡率最悪…親子関係や進路に悩み
- 政治・経済
- 2019年7月17日
政府は16日午前、2019年版「自殺対策白書」を閣議決定した。18年の自殺者数は2万840人で、9年連続減少した。前年から481人減り、37年ぶりに2万1000人を下回った。人口10万人当たりの自殺者数を示す自殺死亡率は、1978年に統計を取り始めて以来、最も低い16・5だった。ただ、19歳以下の未成年の自殺者数は前年より32人増えて599人となり、自殺死亡率は2・8と、78年の統計開始以来最悪だった。
白書では、若者の自殺が深刻な問題となっていることから、過去10年の統計によって、原因を分析した。小中学生の自殺の原因は「親子関係の不和」「家族からのしつけ・叱責(しっせき)」などの家庭問題が多かった。中学生以降、高校生や大学生になると、「学業不振」や「進路に関する悩み」「うつ病」などが目立った。
厚生労働省は、若年者に対する自殺対策として、昨年からSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)での相談事業を始め、昨年度は延べ2万2725件の相談があった。相談者は19歳以下の未成年(43・9%)が最も多く、女性が92・1%を占めた。相談内容は「メンタル不調」「自殺念慮」「家族」などが多かった。
白書は「若者の状況を把握するとともに、対策の効果検証を行い、見直しを行っていくことが必要である」と指摘している。
一言コメント
死ぬ気力があるのなら、死んではならない。
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