日韓レーダー問題、打開見えず=照射1カ月、徴用工訴訟絡む―防衛省、新証拠提示へ
- 政治・経済
- 2019年1月20日
自衛隊機に対する韓国軍艦の火器管制レーダー照射問題が発生して20日で1カ月。
日韓防衛当局の実務者が2度協議したが、照射の有無を含め双方の主張は対立したままだ。防衛省は新たな証拠を突き付ける構えだが、混迷する元徴用工訴訟などの問題も絡み、事態打開の糸口は見えない。
「今なお認識の一致を見ていないことは非常に残念だ」。防衛省によると、岩屋毅防衛相は訪問先のハワイで日本時間19日朝、記者団にこう語った。その上で「韓国側とどのように協議を進めていくべきか、よく考えたい」と強調した。日本政府には、対北朝鮮で米国を含む3カ国の連携は維持したいとの思いもある。
日本側は、昨年12月20日に能登半島沖で、海上自衛隊のP1哨戒機が韓国海軍の駆逐艦から火器管制レーダーの照射を受けたと主張。韓国側は同レーダーの使用を全面否定し、遭難した北朝鮮船舶の救助のための探索レーダーしか運用していないなどと反発した。
海自機の飛行状態でも双方の言い分は対立する。日本側は「十分な高度と距離を取っていた」と説明。これに対し韓国側は、海自機が「人道主義的救助作戦を妨害する脅威的な低空飛行を行った」と批判し、謝罪も要求している。
日本側は反証のため昨年末、海自機が現場で撮影した映像の公開に踏み切った。14日の2度目の実務者協議では、海自機が収集した電波情報と韓国側のデータの交換を求めたが、韓国側に拒まれて行き詰まっている。
業を煮やす防衛省は近く、レーダー照射を受けた際に哨戒機内で記録した電波信号の音を証拠として追加公開する方針。だが、複雑な国民感情から韓国側はむしろ反発を強める可能性がある。
防衛省や自民党内には、日韓共通の同盟国である米国の仲裁を期待する声もある。ただ、米国は静観する構えで、防衛省幹部は「米国は仲裁しても得はないと判断している」と漏らす。
日韓間には韓国の元徴用工訴訟や慰安婦合意に基づく財団の一方的解散といった問題も横たわり、日本政府は事態収拾に頭を悩ます。23日にはスイスで外相会談が予定されるが、防衛省幹部は「前進は期待できない」と語る。
一言コメント
もう打開しなくてもいいんじゃない?
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